大切にしている一枚のレーザーディスクがあります。
英国の映画監督ダヴィッド・ハミルトンが作った"メロディ"で、水の都ヴェニスの映像詩です。
ジャケットを見ると、1991年制作となっていますから、10年以上も前のものです。
バックにはアヴェマリアなど13のクラシックの名曲が奏でられます。歌っているのはソプラノの長島伸子。
なんと爽やかで、穏やかで、平和に満ちた美しい歌声でしょう。清らかで汚れのない人柄がそのまま歌声に溢れ出てきたようで、まさに「天使の歌声」です。
私はこのレーザーディスクを何度取り出したことでしょう。仕事に疲れてイライラしたとき、この美しい歌声を聴き、画面から語りかけてくるような長島伸子の穏やかで優しい笑顔に、心が和むのです。
それもそのはず、この映像は、巨匠ダヴィッド・ハミルトンが長島伸子の歌声に惚れ込み、優しく清らかな彼女のイメージをそのままに映像化しようと試みたものだそうです。
ヴェニスの美しい景色を背景に、長島伸子は、穏やかで透明で澄み渡った歌声で、この世のものとも思えない美しさです。
どんなに素晴らしいかは、私の下手な表現より、ハミルトン自身の言葉を借りましょう。
「私がこの作品の制作を決定したのは、日本のソプラノ歌手、長島伸子との出会いでした。
彼女は、私が今まで対象として来たモデルでもなく女優でもなく、全くナチュラルな存在として私の前に現われました。」
「彼女の歌声を聴いたとき、私の中に次の言葉が響きました。英語でSerenity、イタリア語でSereno。穏やかで、平和で、澄み渡っている雰囲気の言葉です。」
「長島伸子の歌声、そして彼女の全身から溢れる美しさが、私を強くInspire=触発しました。」
「この果敢なく美しい町=ヴェニスへの賛歌を、まさにSerenityと形容するに相応しい、長島伸子の存在を借りて表現できた事を感謝しています」(レーザーディスクの解説書より)
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私は長島伸子のレコードを、この"メロディー"を含め4枚ほど持っていますが、彼女のHPを見ると、その他にも多数出しているようです。でも、なかなか手に入りにくいようです。
彼女のような優れた芸術家のレコードが、もっと容易に手にはいるようになって欲しいものです。
ともあれ、美しい歌を聴かせて下さる長島伸子さん。くれぐれもお体を大切に、いつまでも、美しく清らかな「夢」を与えて下さる「天使」であって欲しいと願ってやみません。
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