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長島伸子のミューズ・サロン(世界愛唱歌W) (2004.10.19)
ソプラノの長島伸子さんが、「気楽にクラシック」というコンセプトで開いているミニコンサート。既に三年目で11回を数えるそうですが、今回は、「愛の喜び 愛の悲しみ」という副題で、ミュージカルと、シューマンの詩人の恋(全曲)というプログラムでした。
会場は定員50名ほどの小さなマンションの一室。途中、出演者とのティータイムも設けられ、打ち解けたサロンのようで雰囲気でした。
第1部は、ミュージカルのナンバーが中心。ジリオラ・チンクエッティのカンツォーネ「夢見る想い」から、ウエストサイド・ストーリーの「アイ・フィール・プレティ」、オペラ座の怪人の「スフィンク・オブ・ミー」といった懐かしい曲の数々。そして第1部最後は、ヴァイオリニストの中澤きみ子さんによる、クライスラーの「愛の喜び」「愛の哀しみ」、サラサーチのツィゴイネルワイゼンというクラシックの名曲の演奏。
第2部は、なんとシューマンの「詩人の恋」16曲の全曲。長島さんは、オペラはよく歌っても、ドイツリートは、今までほとんど歌わず、ステージは今回が初めてとのこと。「冒険することが大好き」という彼女、初めてながら、難しいリートを見事に歌い上げたのはたいしたものです。
長島伸子さんは、丁寧な、心のこもった歌声に加え、司会進行や場の作り方の上手なこと、長く務められたNHKの歌のお姉さんの経験が生きているのでしょう。お会いした誰もがファンになってしまうような人なつっこさと、慎ましやかなお人柄。コンサートが終わって帰る私たち一人一人に、声をかけ見送って下さった気の配り方と優しさ。長島さんが「歌のお姉さん」を志した原点は、子供の頃、虜になっていた、テレビ番組「おとぎの部屋」のシャーリー・テンプルとのこと。「子供達を、心ときめく世界へ誘う役目を、私が果たすことができたらどんなに素敵だろう・・・。今その原点に立ち返り、私がこれまで出会うことができた素晴らしい音楽の世界への案内役として、これからの20年を歩んでいきたい」と長島さん。「出演者とお客様が同じウェイトで作り上げていくようなサロン・コンサートを目指したい」と言われるとおりの、とても楽しい魅力的なコンサートでした。この夢を与えてくれる自主企画、いつまでも続けて欲しいものです。
長島伸子(ソプラノ)、長谷川由美子(ピアノ)
2004年10月16日(土)、ミュージックサロン・デュオ(東京・代々木)
第1部 愛の喜び 愛の哀しみ
1.夢見る想い(ニーザ)、2.わすれな草(クルティス)、
3.ウェストサイド・ストーリーよりアイ・フィール・プリチィ(バーンスタイン)、
4サウンドオブミュージックより何かいいこと(ロジャース)
5オペラ座の怪人よりスフィンク・オブ・ミー(ロイド・ウェンバー)
7愛の喜び(クライスラー)、8愛の哀しみ(クライスラー)、
9ツィゴイネルワイゼン(サラサーチ)
第2部 詩人の恋<全曲>(シューマン)
1美しい5月に、2僕の涙から、3バラをユリを鳩を太陽を
4君の瞳をみると、5僕の心を沈めよう、6ラインの聖なる流れ、
7僕は恨まない、8小さな花が分かってくれるなら、
9あれはフルートとヴァイオリン、10あの歌が聞こえてくると、
11若者がある娘を愛した、12輝ける夏の朝に、
13僕は夢の中で泣いていた、14僕は夜ごと君の夢を見る、
15昔のおとぎ話の中から、16昔のいまわしい歌
長島伸子さんのサイト
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