かっての国鉄が民営になって、JR各社がそれぞれ個性豊かな特急列車を走らせるようになりましたが、団体専用列車や臨時列車(イベント列車・行楽輸送列車)などに使用するジョイフルトレイン(Joyful Train)にも、かっての欧風列車「サロンエクスプレス東京」の流れを汲む個性的な列車があります。 その一つがハイグレード車両「なごみ(和)」です。「なごみ(和)」は、JR東日本が 2007年より運転しているE655系団体専用列車で団体旅行(ツアー)に利用されています。8月に行く立山上高地方面のツアーで、中央本線の新宿･松本間は「なごみ（和）」に乗れる予定なので、事前に調べてみました。

愛称名「なごみ（和）」には、「全乗客になごんで頂きたい」という思いが込められているということです。 この列車は、通常の団体列車としての運用では、制御車1台、電動車3台、電動制御車1台(クロE654-101＋モロE655-101＋モロE654-101＋モロE655-201＋クモロE654-201)という5両編成の電車です。651系「スーパーひたち」の流れを汲む流線型ながらも、いかついフェイス、 光線の当たり具合で褐色から紫色に色合いが変化する「漆色」のマジョーラ塗装、そして腰部には3本の細い金帯を配した美しい列車です。

またこの列車は、天皇や国賓などが利用するお召し列車にも使われます。この場合は、3号車と4号車の間に「特別車両(御料車)」(E655-1付随車)を連結して、6両編成になります。 お召し列車はローカル線を走ることもあるため、全ての電化区間を自力走行できるよう交直流両用の電車になっているとともに、空調用のディーゼル発電機を装備しており、非電化区間にもディーゼル機関車牽引で入線が可能な仕様になっています。

JR東日本E655系電車　なごみ(和)
　編成 5両(4M1T) 、または、特別車両(御料車)連結の6両(4M2T)
　営業最高速度 130km/h 、編成定員 107名 、軌間 1,067 mm (狭軌)
　電気方式 直流1,500V・交流20,000V(50/60Hz)
　主電動機 MT75A（140kW / 基）、編成出力 2240kW（4M2T）
　制御装置 VVVFインバータ制御（IGBT素子）
　ブレーキ方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、抑速ブレーキ（自走時）
　自動空気ブレーキ（被牽引時）、保安装置 ATS-P,ATS-Ps
　特別設備 制御車に空調用ディーゼル発電機を搭載