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今年もNHKテレビで、ウィーン楽友協会大ホールから生中継された、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを楽しみました。
今年の指揮者はズービン・メータ。1936年インド生まれの78歳ですから小澤征爾より一つ年下。
ポンペイ交響楽団創始者を父にもつメータは、ウィーンフィルでデビュー後、ニューヨークフィル、イスラエルフィルの音楽監督を経て、現在はバイエルン国立歌劇場の音楽監督をしています。
ニューイヤーコンサートは2007年以来8年ぶりですが、既に5回目の登場だそうです。
こんなに何度も出演しているのは、さぞウィーンフィルの楽団員から信頼が厚いのでしょう。
今年も例年と同じく、アンコールの定番「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」をはじめ、「ウィーンの村つばめ」「常動曲」「加速度」「酒、女、歌」などの有名曲と、「電磁気」「蒸気を立てろ!」「学生ポルカ」「自由の行進曲」など、比較的知名度が低いながらも聴きごたえのある作品が登場しました。 たくさんの花で美しく彩られたウィーン・ムジークフェラインの黄金のホールで、贅沢な音楽の饗宴がくり広げられました。 ただ、今回は幾分退屈でした。ズービン・メータのは、さすがにウィーンフィルとの息も合っていたけれど、前回のように新しい年を迎えた喜びに演奏者、聴衆、指揮者が一体となった、とてもよい感じの年明けの演奏会ではなく、前回よりもよち太り気味な体躯になって、若い頃の汗にまみれた情熱的な指揮ぶりが感じられなかった。 よく言えば、円熟期に入った貫禄でしょうが、悪く言えば新鮮味がなくつまらない演奏でした。 バレエは、昨年は衣裳デザインが話題になり、早くから取り上げられていたいましたが、今回はあまりパッとしなかった。
バレエの舞台:旧ウィーン大学 振付:ダヴィデ・ボンバーナ ヨハン・シュトラウス2世: 「学生ポルカ」op.263 、ヨハン・シュトラウス2世: ワルツ「酒・女・歌」op.333 出演:ウィーン国立歌劇場バレエ団、バレエの舞台:旧ウィーン大学 振付:ダヴィデ・ボンバーナ ゲストには、俳優…井上芳雄、音楽評論家…舩木篤也、 料理人…神田真吾(スタジオには皇帝も愛したオーストリアの伝統料理が登場)、司会は渡邊佐和子 ともあれ、地球の裏側で行われているニューイヤーコンサートを、同じ時間に日本に居ながらにして、ハイビジョンの高画質で観ることができるのは素晴らしいことだと思います。
ちなみに来年の指揮者はマリス・ヤンソンス。1943年ラトヴィア生まれという旧ソ連出身の指揮者です。
マリス・ヤンソンスは日本での人気は今一つですが、ニューイヤーコンサートは2012年に続いて3回目です。 ウィーンフィル、ベルリンフィル、ロンドン交響楽団のような一流オーケストラに毎年のように客演を繰り返しているうえに、ドイツの名門バイエルン放送交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めるとなど現在の指揮者界における中心人物なのです。
前回は茶目っ気たっぷりの指揮ぶりで楽しめましたので期待できますが、3回めなので今年のように新鮮味がなくならないよう願いたい。。
【演奏曲】 第1部 1.序曲「ウィーンの朝・昼・晩」(スッペ) 2.ワルツ「オリエントからのメルヘン」作品444(ヨハン・シュトラウス2世) 3.ポルカ「ウィーンの生活」作品218(ヨーゼフ・シュトラウス) 4.ポルカ「人が笑い生きるところ」作品108(エドゥアルト・シュトラウス) 5.ワルツ「オーストリアの村つばめ」作品164(ヨーゼフ・シュトラウス) 6.ポルカ「ドナウの岸辺から」作品356(ヨハン・シュトラウス2世) 第2部 7.常動曲作品257(ヨハン・シュトラウス2世) 8.ワルツ「加速度」作品234(ヨハン・シュトラウス2世) 9.ポルカ「電磁気」作品110(ヨハン・シュトラウス2世) 10.ポルカ「蒸気をあげて!」作品70(エドゥアルト・シュトラウス) 11.ワルツ「エルベ河にて」作品477(ヨハン・シュトラウス2世) 12.シャンペン・ギャロップ(ロンビー) 13.学生ポルカ作品263(ヨハン・シュトラウス2世) 14.自由の行進曲作品226(ヨハン・シュトラウス1世) 15.アンネンポルカ(ヨハン・シュトラウス2世) 16.ワルツ「酒、女、歌」作品333(ヨハン・シュトラウス2世) 17.ポルカ「粋に」作品221(エドゥアルト・シュトラウス) [アンコール] ワルツ「美しく青きドナウ」作品314(ヨハン・シュトラウス2世) 18.ラデツキー行進曲作品228(ヨハン・シュトラウス1世) |
ポルカ「ウィーンの生活」作品218 | ポルカ「人が笑い生きるところ」作品108 | ワルツ「エルベ河にて」作品477 |
学生ポルカ作品263 | 自由の行進曲作品226 |
1941 クレメンス・クラウス(1) | 1942 クレメンス・クラウス(2) | 1943 クレメンス・クラウス(3) | 1944 クレメンス・クラウス(4) | 1945 中止 |
1946 ヨーゼフ・クリップス(1) | 1947 ヨーゼフ・クリップス(2) | 1948 クレメンス・クラウス(5) | 1949 クレメンス・クラウス(6) | 1950 クレメンス・クラウス(7) |
1951 クレメンス・クラウス(8) | 1952 クレメンス・クラウス(9) | 1953 クレメンス・クラウス(10) | 1954 クレメンス・クラウス(11) | 1955 ボスコフスキー(1) |
1956 ウィリー・ボスコフスキー(2) | 1957 ウィリー・ボスコフスキー(3) | 1958 ウィリー・ボスコフスキー(4) | 1959 ウィリー・ボスコフスキー(5) | 1960 ウィリー・ボスコフスキー(6) |
1961 ウィリー・ボスコフスキー(7) | 1962 ウィリー・ボスコフスキー(8) | 1963 ウィリー・ボスコフスキー(9) | 1964 ウィリー・ボスコフスキー(10) | 1965 ウィリー・ボスコフスキー(11) |
1966 ウィリー・ボスコフスキー(12) | 1967 ウィリー・ボスコフスキー(13) | 1968 ウィリー・ボスコフスキー(14) | 1969 ウィリー・ボスコフスキー(15) | 1970 ウィリー・ボスコフスキー(16) |
1971 ウィリー・ボスコフスキー(17) | 1972 ウィリー・ボスコフスキー(18) | 1973 ウィリー・ボスコフスキー(19) | 1974 ウィリー・ボスコフスキー(20) | 1975 ウィリー・ボスコフスキー(21) |
1976 ウィリー・ボスコフスキー(22) | 1977 ウィリー・ボスコフスキー(23) | 1978 ウィリー・ボスコフスキー(24) | 1979 ウィリー・ボスコフスキー(25) | 1980 ロリン・マゼール(1) |
1981 ロリン・マゼール(2) | 1982 ロリン・マゼール(3) | 1983 ロリン・マゼール(4) | 1984 ロリン・マゼール(5) | 1985 ロリン・マゼール(6) |
1986 ロリン・マゼール(7) | 1987 ヘルベルト・フォン・カラヤン(1) | 1988 クラウディオ・アバド(1) | 1989 カルロス・クライバー(1) | 1990 ズービン・メータ(1) |
1991 クラウディオ・アバド(2) | 1992 カルロス・クライバー(2) | 1993 リッカルド・ムーティ(1) | 1994 ロリン・マゼール(8) | 1995 ズービン・メータ(2) |
1996 ロリン・マゼール(9) | 1997 リッカルド・ムーティ(2) | 1998 ズービン・メータ(3) | 1999 ロリン・マゼール(10) | 2000 リッカルド・ムーティ(3) |
2001 ニコラウス・アーノンクール(1) | 2002 小澤征爾(1) | 2003 ニコラウス・アーノンクール(2) | 2004 リッカルド・ムーティ(4) | 2005 ロリン・マゼール(11) |
2006 マリス・ヤンソンス(1) | 2007 ズービン・メータ(4) | 2008 ジョルジュ・プレートル(1) | 2009 ダニエル・バレンボイム(1) | 2010 ジョルジュ・プレートル(2) |
2011 ウェルザー・メスト(1) | 2012 マリス・ヤンソンス (2) | 2013 ウェルザー・メスト(2) | 2014 ダニエル・バレンボイム(2) | 2015 ズービン・メータ(5) |
2016 マリス・ヤンソンス(3)(予定) |
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