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今年もNHKテレビで、ウィーン楽友協会大ホールから生中継された、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを楽しみました。
今年の指揮者はマリス・ヤンソンス。2012年に続いてニューイヤー3回目の登場となります。
1943年ラトヴィア生まれという旧ソ連出身の指揮者で、ウィーンフィル、ベルリンフィル、ロンドン交響楽団のような一流オーケストラに毎年のように客演を繰り返しているうえに、ドイツの名門バイエルン放送交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めるとなど現在の指揮者界における中心人物なのです。
その素晴らしい指揮振りから、特にウィーン・フィルの内部より再起用の極めて強い希望があったそうです。
また、ウィーン少年合唱団も14年ぶりの出演との事で、美しい歌声を聴くことが出来ました。
ただ、今回は幾分退屈でした。マリス・ヤンソンスの指揮は、さすがにウィーンフィルとの息も合っていたけれど、歳をとったせいか前回よりも情熱的な指揮ぶりが感じられなかった。
よく言えば、円熟期に入った貫禄でしょうが、悪く言えば新鮮味がなくつまらない演奏でした。
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バレエは、エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル 「羽目をはずして」 作品168 と、
ヨハン・シュトラウス2世:皇帝円舞曲 作品437。
踊りは例年通り、ウィーン国立バレエ団ですが、振り付けはイリ・ブベニチェク。
イリ・ブベニチェクはチェコ生まれ、1992年にローザンヌ国際バレエコンクールで入賞、
その後ジョン・ノイマイヤー率いるハンブルグ・バレエ団、ドレスデン・バレエ団などでダンサーとしてのキャリアを積み、
最近は振付家としても活動しているという新鋭なので、例年とは少し趣が違った振付が見られるかなと思っていましたが、意外とオーソドックスでした。
彼は、1月30,31日に、東京シティバレエ団に、『L'heure Bleue(青い時間)』という新作を振り付けるそうです。
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ともあれ、地球の裏側で行われているニューイヤーコンサートを、同じ時間に日本に居ながらにして、観ることができるのは素晴らしいことだと思います。 来年の指揮者は、ドゥダメル( Gustavo Dudamel)。ベネズエラ出身の新進気鋭の指揮者だそうで、一風変わった指揮振りが期待でき、楽しみです。 |
【演奏曲】 1.ロベルト・シュトルツ; 国連行進曲(UNO-Marsch, March Of The United Nation) 2.ヨハン・シュトラウス2世; 宝のワルツ op.418 3.ヨハン・シュトラウス2世; ポルカ・フランセーズ「ヴィオレッタ」 op.404 4.ヨハン・シュトラウス2世; ポルカ・シュネル「観光列車」 op.281 5.カール・ミヒャエル・ツィーラー; 「ウィーン娘」 op.388 6.エドゥアルト・シュトラウス; ギャロップ「速達郵便で」 op.259 < 休 憩 > 7.ヨハン・シュトラウス2世; 喜歌劇「ヴェネツィアの一夜(ウィーン版)」への序曲 8.エドゥアルト・シュトラウス; ポルカ・シュネル「Ausser Rand und Band(野放図)」 op.168 9.ヨゼフ・シュトラウス; ワルツ「天体の音楽」op.235 10.ヨハン・シュトラウス2世; ポルカ・フランセーズ「歌い手の喜び」 op.328 11.ヨゼフ・シュトラウス; ポルカ・シュネル「休暇旅行で」 op.133 12.ヨハン・シュトラウス2世; 喜歌劇「ニネッタ侯爵夫人」より、第2幕と第3幕の間奏曲 13.エミール・ワルトトイフェル; ワルツ「スペイン」 op.236 14.ヨーゼフ・ヘルメスベルガー1世; 舞踏会の情景 15.ヨハン・シュトラウス1世; ギャロップ「ため息」 op.9 16.ヨゼフ・シュトラウス; ポルカ・マズルカ「とんぼ」 op.204 17.ヨハン・シュトラウス2世; 皇帝円舞曲 op.437 18.ヨハン・シュトラウス2世; ボルカ・シュネル「狩り」 op.373 < アンコール > ヨハン・シュトラウス2世; ワルツ「美しき青きドナウ」op.314 ヨハン・シュトラウス1世; ラデツキー行進曲 op.228 < ニューイヤー・コンサート初登場の曲 > 国連行進曲 (シュトルツ)、フランス風ポルカ 「ヴィオレッタ」 作品404 (ヨハン・シュトラウス2世)、 ワルツ 「ウィーン娘」 作品388(ツィーラー)、ポルカ・シュネル 「羽目をはずして」 作品168(エドゥアルト・シュトラウス)、 フランス風ポルカ 「歌い手の喜び」 作品328 (ヨハン・シュトラウス2世)、 喜歌劇 「ニネッタ侯爵夫人」 第3幕への間奏曲 (ヨハン・シュトラウス2世)、 ワルツ 「スペイン」 作品236 (ワルトトイフェル)、ワルツ 「舞踏会の情景」 (ヘルメスベルガー1世)、 指揮:マリス・ヤンソンス、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン少年合唱団(10、11) 2016年1月1日、ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ・レコーディング ゲスト:田代万里生(歌手・俳優)、小宮正安(音楽評論家) 司会:渡邊佐和子 アナウンサー |
1941 クレメンス・クラウス(1) | 1942 クレメンス・クラウス(2) | 1943 クレメンス・クラウス(3) | 1944 クレメンス・クラウス(4) | 1945 中止 |
1946 ヨーゼフ・クリップス(1) | 1947 ヨーゼフ・クリップス(2) | 1948 クレメンス・クラウス(5) | 1949 クレメンス・クラウス(6) | 1950 クレメンス・クラウス(7) |
1951 クレメンス・クラウス(8) | 1952 クレメンス・クラウス(9) | 1953 クレメンス・クラウス(10) | 1954 クレメンス・クラウス(11) | 1955 ボスコフスキー(1) |
1956 ウィリー・ボスコフスキー(2) | 1957 ウィリー・ボスコフスキー(3) | 1958 ウィリー・ボスコフスキー(4) | 1959 ウィリー・ボスコフスキー(5) | 1960 ウィリー・ボスコフスキー(6) |
1961 ウィリー・ボスコフスキー(7) | 1962 ウィリー・ボスコフスキー(8) | 1963 ウィリー・ボスコフスキー(9) | 1964 ウィリー・ボスコフスキー(10) | 1965 ウィリー・ボスコフスキー(11) |
1966 ウィリー・ボスコフスキー(12) | 1967 ウィリー・ボスコフスキー(13) | 1968 ウィリー・ボスコフスキー(14) | 1969 ウィリー・ボスコフスキー(15) | 1970 ウィリー・ボスコフスキー(16) |
1971 ウィリー・ボスコフスキー(17) | 1972 ウィリー・ボスコフスキー(18) | 1973 ウィリー・ボスコフスキー(19) | 1974 ウィリー・ボスコフスキー(20) | 1975 ウィリー・ボスコフスキー(21) |
1976 ウィリー・ボスコフスキー(22) | 1977 ウィリー・ボスコフスキー(23) | 1978 ウィリー・ボスコフスキー(24) | 1979 ウィリー・ボスコフスキー(25) | 1980 ロリン・マゼール(1) |
1981 ロリン・マゼール(2) | 1982 ロリン・マゼール(3) | 1983 ロリン・マゼール(4) | 1984 ロリン・マゼール(5) | 1985 ロリン・マゼール(6) |
1986 ロリン・マゼール(7) | 1987 ヘルベルト・フォン・カラヤン(1) | 1988 クラウディオ・アバド(1) | 1989 カルロス・クライバー(1) | 1990 ズービン・メータ(1) |
1991 クラウディオ・アバド(2) | 1992 カルロス・クライバー(2) | 1993 リッカルド・ムーティ(1) | 1994 ロリン・マゼール(8) | 1995 ズービン・メータ(2) |
1996 ロリン・マゼール(9) | 1997 リッカルド・ムーティ(2) | 1998 ズービン・メータ(3) | 1999 ロリン・マゼール(10) | 2000 リッカルド・ムーティ(3) |
2001 ニコラウス・アーノンクール(1) | 2002 小澤征爾(1) | 2003 ニコラウス・アーノンクール(2) | 2004 リッカルド・ムーティ(4) | 2005 ロリン・マゼール(11) |
2006 マリス・ヤンソンス(1) | 2007 ズービン・メータ(4) | 2008 ジョルジュ・プレートル(1) | 2009 ダニエル・バレンボイム(1) | 2010 ジョルジュ・プレートル(2) |
2011 ウェルザー・メスト(1) | 2012 マリス・ヤンソンス (2) | 2013 ウェルザー・メスト(2) | 2014 ダニエル・バレンボイム(2) | 2015 ズービン・メータ(5) |
2016 マリス・ヤンソンス(3) | 2017グスターボ・ドゥダメル(1) (予定) |
YouTubeにダイジェスト版が載っていました。 → |
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