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今年もNHKテレビで、ウィーン楽友協会大ホールから生中継された、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを楽しみました。
2021年の今回は、コロナウイルスの影響を受けて、史上初の無観客開催でした。緊急事態とは言え、まさに歴史的な出来事であり、テレビに加えてインターネット等の新技術が普及した21世紀だからこそ実現したコンサートの形と言えるでしょう。 毎年、著名な指揮者を招いてのニューイヤーコンサートですが、このようないつもとは違った事態に対応できる指揮者としてというわけでもないでしょうが、今回はウィーン・フィルとの縁が非常に深いリッカルド・ムーティが指揮者に選ばれたのかもしれません。彼は、2018年以来、通算6回目の指揮だそうです。それだけウィーンフィルの演奏者達の信頼が厚いのでしょう。 昨年迄のNHKのウィーンフィル。ニューイヤーコンサートでは、後半が始まるまえの休憩時間には、解説者とゲストによる対談があったのですが、今年は、バレエの収録模様の映像が流されていました。これによると、バレエシーンは、昨年の8月にが撮影されたということでした。 後半のバレエは「マルゲリータ・ポルカ」と「春の声」が踊られましたが、「春の声」には日本人ダンサーの木本全優さんがに出演していました。出演に先駆けて、この休憩時間に木本全優さんと橋本清香さんの夫婦が登場し、インタビューに答えていました。2019年に夫婦揃ってニューイヤーコンサートのバレエに出演した時の映像も流されていました。 昨年までの、つまらない対談よりも、この方がずっと気が利いていると思いました。次回以降も、このような企画を希望します。 リッカルド・ムーティは2018年に、このウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮したのですが、この時は見過ごしてしまいました。その前の2004年のときは、オペラの指揮者としての彼の生真面目さが強く感じられて、ニューイヤーはお祭りですから、もう少し軽い遊びがあっても良かったのではと思ったのを記憶しています。 今回は、テンポの早いポルカとマーチは、いかにも、ムーティらしい溌剌とした雰囲気のとても良かったのですが、概してゆったりしたテンポの曲は、ゆったり感が行き過ぎて重い感じになってしまったような気がしました。やはり彼はオペラの指揮者なのでしょうか。 来年のニューイヤーコンサートは、ダニエル・バレンボイムの指揮で行われるということです。 ダニエル・バレンボイムは、ピアニストとしては、1956年にウィーン・フィルと最初の共演を行っているそうですし、ウィーン・フィルの指揮は1989年に始まり、ニューイヤーコンサートは、2009年と2014年の2回指揮していますから、次回は3回目の指揮ということになります。 2014年の時は、前半はウィンナワルツのコンサートにしては全体的に固く、テンポが微妙に重く、私好みではなかったけれど、後半は、奏者が曲に合わせて歌ったり、ラデツキー行進曲の演奏中にオーケストラの中に入って行ったり、行き、演奏者1人1人と握手をしたり、 とてもとても楽しげで良かったと記憶していますので、次回の指揮を期待しています。 演奏曲目 フランツ・フォン・スッペ 〈ファティニッツァ行進曲〉 ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2021 |
歴代ニュー・イヤー・コンサートの指揮者 ( )は回数
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