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Nゲージ鉄道模型:車両紹介(52):国鉄EF62形電気機関車   (2015.1.24)

Nゲージレイアウトを走らせている列車の紹介です。今回は、国鉄EF62形電気機関車です。 EF62形電気機関車は、信越本線軽井沢〜長野間の電化と横川〜軽井沢間の新線開通に際して導入された直流電気機関車です。 最急勾配66.7‰を有する横川〜軽井沢間では補機EF63形と協調運転を行い、上野〜長野間を機関車を換えることなく直通で客車を牽引しました。 EF62形の最大の特徴は、粘着力を高めるためと軸重制限を越えないために、国内の新型機関車の中で唯一のC-Cの軸配置の3軸台車を採用している点です。 これは路盤を強化された碓氷峠と異なり、信越本線の別区間の路盤は弱く軸重軽減のため台車の数を抑えるための苦肉の策です。ただ、3軸台車は軸重軽減には向いているものの、 カーブ通過時のレールに対する横圧が増大する傾向にあり、高崎・信越線や長野地区以外の線区では殆ど使用されない結果になりました。 また、特異な軸配置故の整備のし難さなどから、現場サイドより煙たがられ、JR移行直前の1987年までにほとんどが廃車た悲運の機関車です。

もう一つ、EF62は直流電化区間で最初に電気暖房電源を装備した機関車でした。蒸気機関車や初期の電気機関車の時代は、客車の暖房は機関車から供給される高温の蒸気による蒸気暖房が主流でした。 交流電化区間では、1950年代末から客車に電熱装置による暖房を装備し、交流用電気機関車から交流電源を供給する電気暖房が用いられていましたが、 直流電化区間は、機関車に積んだ蒸気発生装置による蒸気暖房でした。 EF62が電気暖房用の交流電源を客車に供給する設備を持った初めての直流電気機関車だったため、直流電化区間では、碓氷峠を通過する客車列車が日本で最初に電気暖房が完備となりました。

私は大学生時代に妙高高原にスキーに行った際、信越本線で、EF62形電気機関車の牽く列車を利用しました。 EF63形を補機として、軽井沢行き下り列車ではEF62が先頭で牽引しEF63形重連が推進するプッシュプル運転、横川行き上り列車ではEF63形重連+EF62の3重連で、 峠の釜飯を食べながら横川・軽井沢間を上下したことをなつかしく思っています。 そんなわけで、かねてからEF62形の模型を探していたのですが、インターネットオークションで低価格で手に入れることができました。

この模型は、トミックス製で、2台の台車に6軸の動輪が付いていますが、前の台車の3軸と後の台車の3軸が駆動輪で、第1動輪と第6動輪のそれぞれ片方の車輪に滑り止めのトラクションタイヤが付いています。 この模型はインターネットオークションで買った中古なので、現在発売中のものより機構的には旧式です。 モーターの動力はトミックスの伝統的なスプリングウォームなので、走行音は大きく、最近のNゲージでは常識になっているフライホイールはついていないので、始動停止は滑らかではありません。 ただ、重量があるしっかりとした作りで、牽引力が強く、約5/100の勾配がある都会の鉄道のループのレイアウトでは、客車5両を連結して牽引することができます。 上野−金沢間の急行「能登」は、電車になる1993年までは、EF62が牽引する客車列車だったので、これで使われていた14系客車を牽引させたり、50系客車を牽引させたりして楽しんでいます。


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