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我が家ではオープンリール・テープデッキも健在です    (2002.10.1改)

今やディジタル時代。ビジュアルの世界ではDVD、オーディオではCDやMDといった具合に、家庭の映像機器や音響機器はほとんどディジタルになってしまいました。
しかし我家では、今でもアナログのLPレコードプレーヤーとオープンリール・テープデッキが健在です。
LPレコードは最近見直され、電気店のオーディオ売場でも見かけるようになりましたが、オープンリール・テープデッキは秋葉原でも中古品しかなく、オープンリール・ミュージックテープにいたってはまったく見かけなくなってしまいました。 カセット・テープ、CD、MDと次々に手軽に使える媒体が出てきて、操作の面倒なオープンリール・テープが嫌われたのは無理もないことでしょう。コンピュータのオープンMTが、CMTに変わったのと同じです。
私がいまだにオープンリール・ミュージックテープにこだわっているのは、次の理由からです。
一つは、LPレコードと同様にアナログの音に愛着があるからです。「音」だけであれば、CDの方が遙かにクリアーで綺麗なのでしょうが、LPやオープンテープの音は、暖かみがあって、本当の「音楽」を感じさせるようで、捨てがたいのです。CDやMDを冷たいトランジスタの音とすれば、LPやオープンテープは暖かい真空管の音でしょうか。
とくにオープンテープは、LPレコードと違いスクラッチ・ノイズがありません。無音の時には、サーっというテープヒスノイズがありますが、LPレコードのパチパチというスクラッチノイズに比べ耳ざわりではありません。 たまに古いテープをかけてみると、こんなに良い音が入っていたのかと驚くと同時に、ホッとしたような気持ちになれます。

もう一つは、軽薄短小の世の中でどっしりとしたオープンリール・テープデッキの存在感です。所有していることの満足感です。いわば、コンピュータの世界のクライアントサーバーシステムの中のメインフレームとでもいいましょうか。
私のテープデッキは、1976年のTEAC製で2トラック38センチ/秒(いわゆるツートラサンパチ)のデッキで、4トラック・ステレオのヘッドが付属していて、当時市販されていた4トラック19センチのミュージックテープも再生できます。キャプスタンとリールの駆動にそれぞれ専用に3つのモーターがついて、鋳鉄のフレームでがっちり固めてあり、重さは20キロを超えていて、一人で持ちあげるのも大変です。当時約30万円もしました。
大きな10インチリールが38センチ/秒の高速で回転している様子は壮観です。
25年以上も使っていますが、メカは頑丈で故障もしません。もっともヘッドのクリーニングや給油等の手入れはこまめに行っています。さすがに、内蔵のアンプは偶に音が切れたりするようになりました。トランジスタやICの様な半導体の寿命かもしれません。半導体は5年くらいから徐々に破壊が始まると言われていますので無理もないことです。
ただ、TEACは音響専門メーカーからCD‐ROM等のコンピュータ機器メーカーに変わってしまい、今は、だましだまし使っていますが、本当に故障したとき修理してくれるかどうか心配です。

私のレコードコレクションの中で、オープンリール・ミュージックテープは1割くらいであまり多くはないのですが、中にはFMからエアチェックした海外の演奏会の貴重な録音もあります。
オープンリール・テープデッキが壊れないでいつまでも健在であることを願って、今後も大切に使っていこうと思います。



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