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オーケストラルバレエ「ロメオとジュリエット」    (2001.6.10)

 
テレビでロストポーヴィッチが新日本フィルを指揮し、リトアニア国立バレエ団が演じた、バレエ「ロメオとジュリエット」を観ました。オーケストラがステージで演奏し、同じステージでバレエが踊られるというものです。
正直のところ、あまり好きにはなれませんでした。
 
一ヶ月ほど前、森下洋子さん主演、松山バレエ団の「ロミオとジュリエット」の感激が覚めやらぬせいもありますが、やはりバレエは踊りが主体。これを支えるドラマと音楽が調和してこそ、総合芸術としての素晴らしさを発揮できるものだ、という考えを新たにしました。
 
だからといって、オーケストラが貧弱なのは困ります。多くの日本のバレエ公演がそうですが,ステージのバレエが素晴らしいのにオーケストラの演奏が著しく貧弱なことがあります。音をはずしたり、テンポが狂ったり・・・・・・・、ステージで一生懸命に踊るダンサーが気の毒に思ったこともあります。きちっと、演奏してもらいたいものです。
 
ロスとポービッチ氏は、「バレエが音楽を壊した」、「バレリーナの脚は指揮棒ではない」と言っていました。バレエで踊りに主導権を持たせたくないと言うことでしょうが、私はそうは思いません。バレエはステージのダンサーが主役。これを支えるのが指揮者とオーケストラ。ステージの踊りと音楽が調和してこそ、魅力的なステージが出来上がるのだと思います。
 
福田一雄さんは私が好きな指揮者の一人です。彼がバレエの指揮をしているとき、本当に暖かいまなざしで、ステージのダンサーを追っているようです。ダンサーを思い通りに躍らせながらも、音楽の流れを決して無視するようなことはしません。バレエ音楽を知り尽くしていて、こうあるべきだという信念を持って、指揮をされているのだと思います。ダンサーにとっても、これほど踊りやすく、信頼のおける指揮者はいないのではないでしょうか。
 
今回のオーケストラルバレエ「ロメオとジュリエット」、バレエの演奏はどうあるべきかということを改めて考えさせてくれた意味で、貴重な映像でした。
 
ここのところ、NHKがバレエの放送を積極的に行ってくれます。
一時バレエ放送が全く無かったのですが、非常に有難いことです。
これからもバレエを積極的に取り上げてくれることを希望します。


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