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パソコンでのバレエ映像の再生

 
私はバレエを観ることが大好きです。
大学生頃からよくバレエの公演を見に行きましたが、ビデオカセットテープレコーダーが出た1980年頃からは、市販されたバレエのビデオやレーザーディスク、テレビからの録画など、バレエの映像も集めてきました。塵も積もれば山で、結構なコレクションになりました。
 
1993年頃になり、動画をディジタル化してPCに取り込むことが出来るビデオキャプチャーボードが開発されました。また、Quick TimeやVideo For Windowsのように、取り込んだ動画を再生できるソフトウェアも発売されました。
そこで私は、バレエの映像コレクションのさわりの部分を集めてパソコンに入れ、容易に見ることが出来るようにしたいと考えました。
 
当時は、Pentiumプロセッサーが出始めた時代で、ビデオキャプチャーボードの性能も悪く、PCに取り込んだ動画映像は小さい上にぎくしゃくして、鑑賞用としてはとても使える状態ではありませんでした。それでも私はビデオキャプチャーボードを購入しました。ともかくバレエ映像のディジタル化に挑戦したかったのです。
 
当時私が買ったビデオキャプチャーボードは、7万円位で、動画像の大きさは160×120ドット、10コマ/秒がやっとでした。これではとてもバレエの激しい動きを再現するには不十分でした。
 
2年ほどたち、Windows95が発売されて、OSに標準で動画再生機能がつき、にわかにPCへの動画取込への関心が高まりました。
 
私はこの時期に2代目のビデオキャプチャーボードを購入しました。ハードウェアによる画像圧縮機能を備え、11万円でした。320×200ドットで、18コマ/秒でコマ落ちせずに取り込みができました。
このボードはPC98のCバス用でCバスの性能からこの位が限度だったと思います。それでも、このボードは昨年まで動画取り込みに活躍していました。現在は新たな取り込みには使っていませんが、過去の動画を再生するのに使っています。
 
昨年(1999年)、DOS/V機を購入したのに合わせて、3代目のビデオキャプチャーボードを購入しました。メルコ社のCBP-AVというボードで、PCIバスとPCのCPU(PentiumV500MHZ)の威力も加わって、1万円と安価にもかかわらず、640×400ドットの動画を、24コマ/秒でコマ落ちせずに取り込めます。
画質はVHSビデオの3倍モード並で、秒間のコマ数は35ミリの映画並ですから、ほぼ実用的なレベルに達したと言えます。
 
現在、PC98とDOS/V機の両方のハードディスクに、合計20GBほど、パ・ド・ドゥなど、主なバレエのさわりの部分を収容しています。
マウスでアイコンをクリックするだけで、お目当てのバレリーナの踊りをPCのディスプレイで再生できます。ビデオを取っ替え引っ替えすることなしに、マウス一つで、別のバレリーナの踊りと比較もできます。
 
大好きな「眠りの森の美女」の「ローズ・アダージョ」など、10種類以上のコレクションがありますが、これを比較してみるのも、とても楽しいものです。
 
クラシック・バレエで最高の見せ場であり、技術的にも最も難しいとされ、ベテランのバレリーナですら緊張すると言われるアチチュードのバランスの部分など、それぞれのバレリーナの、安定性、バランスの長さ、ポーズの工夫や顔の表情など、マウスのクリックだけで、容易に比較して見ることができるのです。
 
ロイヤル・バレエのデュランテのたっぷりと長〜いバランス、キーロフ・バレエのシゾーワの愛らしいポーズなど、ビデオテープを取り替えることなしに、マウス一つで続けて見ることが出来るのは、バレエ・ファンにとってこの上ない贅沢だとも言えましょう。
改めてPCの性能向上と、画像圧縮・展開技術の進歩を実感します。

それにしても、この「ローズ・アダーッジョ」という踊りは、見るたびに、新鮮な驚きと感動を与えてくれます。それだけ、プティパの振り付けの原型が優れているのでしょう。

「もう一度ゆっくり」と、全てのコレクションをPCで見直して、それぞれのバレリーナの至芸を堪能したいと思っております。

バレエ映像再生中のPC画面上の例


ビデオキャプチャー・ボード:メルコ CBP-AV
 

 
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