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ジゼルのペザント・パ・ド・ドゥ    (2001.4.15)

 
ロマンティック・バレエの中で最も有名で、しかも長い間親しまれているジゼルは、ラ・シルフィード(La Sylphide:1832年初演)の成功に刺激されて生まれたバレエです。
初演は1841年パリということですから、150年以上も昔のことです。
初演以来、ジゼルの振り付けはしばしば改変されましたが、1844〜1847年にセント・ペテルブルグで上演された際に、マリウス・プティパによって大幅に手が入れられ、今日私たちが見る形に近いものとなったということです。
 
ペザント(農民)・パドドゥは、1841年のパリ初演の時には、筋とは関係のない7曲からなる農民達の収穫祭の踊りのディヴェルティマンの一つとして第一幕に挿入されました。
作曲は、アドルフ・アダンではなく、ヨハン.フレデリック.ブルクミューラーという人です。
その後このディヴェルティマンは削除され、パ・ド・ドゥのみがプティパの改作の際に加えられたということです。
 
このペザント・パドドゥは、「眠りの森の美女」の「青い鳥のパドドゥ」と同様、未来のプリマを目指す、若いダンサーによって踊られることが多いのです。技巧的に派手な踊りはないものの、若いダンサーによるフレッシュ踊りは、第2幕のジゼルのパドドゥとはまた違った楽しみがあります。
 
今から40年以上も前に、牧阿佐美バレエ団がブルガリアのベラ・キーロワを招いてジゼルの公演をしたことがありました。この時森下洋子さんがこのペザント・パ・ド・ドゥを踊ったのですが、それはそれは可愛らしく、一夜にしてこのパ・ド・ドゥが大好きになったのを覚えています。

私のコレクションの中では、なんと言っても、川口ゆり子さんが佐藤勇次さんと踊った古いビデオが好きです。川口さんはこの撮影当時まだ二十歳を少し過ぎたばかりで、とても可愛らしい踊りです。v
スタジオ録画ですが、笑顔を見せる余裕もないほど緊張しているようで、「頑張って!!」と声をかけたくなります。
アダージョのバランスのところなど、慎重にパートナーの手を離し、歯を食いしばって懸命に独り立ちをする姿は、すがすがしくて感動的です。私の宝物の一つです。

 
 

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