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死がまじかとは思えぬ美しさ「ピアノ協奏曲第27番」
 
モーツァルトは最後のピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595を書きあげた後、1年足らずのうちに世を去りました。
この曲の比類ない美しさをどう表現したらよいのでしょうか。私は死をまじかに控えた人が書いた曲とはどうしても思えません。
第1楽章は、主題の前に一小節の前奏があります。これは、モーツァルトの他のピアノ協奏曲には見られません。この一小節によって物語の始まりのような効果を感じさせます。
第2楽章は、ピアノが一人静かに主題を奏でると、オーケストラがそれをくり返します。長調にもかかわらず悲哀が感じられる旋律です。
第3楽章は、8分6拍子の軽快なアレグロで始まります。この主題はその後、歌曲「春への憧れ」K.596にも使われています。
 
この曲のレコードは多数出ていますが、私の愛聴盤は、ヘブラーのピアノ、ガリエラ指揮ロンドン交響楽団のLPレコードです。ヘブラーの演奏はあくまで清楚でつつましやかです。ディジタル化されたCDも持っていますが、LPレコードは、CDに比べ、スクラッチノイズは有るものの、何故か、弱音でのニュアンスは美しく豊かに聞こえます。
レコードジャケット

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