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30型プリウスの弱点の一つが「ヘッドライトの暗さ」です。尤も、購入前から幾分予想はしていたのですが、実際に使ってみてこれほど暗いとは思いもよりませんでした。20型の時は、HID(ディスチャージ/キセノン)ヘッドライト装着車だったのですが、30型のハロゲンヘッドライトは、これに比べると驚くほど暗い。
住宅地の街灯がない道では、特に左折時には左側の人や自転車が見えず、とても怖いのです。これで「ロービームで40m先まで確認できること」という車検基準をパスしているのが不思議なくらい。私は、やむを得ず住宅地を走るときには、フォグランプを点けています。バッテリーの負荷が気になるのですが・・・。
30型プリウスでは、ヘッドライトはハロゲンかLEDのみで、HIDはありません。HIDに及ばないもののハロゲンよりは明るいLEDを選ぼうかと思いましたが、購入当時、LED装着車はツーリング系のみで、購入対象のソーラ付のGグレードにはハロゲン装着車しかありませんでした。
その後要望もあったのか、Gグレードにも「LEDエディション」が追加されましたが、依然としてHIDはオプションすらありませんでした。
インターネットを調べてみると、やはり「プリウスのヘッドライトが暗い」という指摘が数多く見られました。
それを受けてか多くのサードベンダーから、ヘッドライトのロービーム部分をHIDやLEDへ交換するキットが発売されていました。
いっそ、新しいLEDにしようかとも考えましたが、LEDは、放電によるタイムラグがなく瞬時に点灯する、寿命がHIDより数倍長い・・・などのメリットがある反面、
現状では、明るさはHIDに及ばず、特に遠方照射に弱いようだし、消費電力もHIDと大差ない・・・、それに価格がHIDの数倍も高いということから、
LEDヘッドライトは、先進性のアピールという面ではインパクトがあるけれど、まだまだ発展途上の製品と感じたので、今回は見合わせ、HIDを取り付けることにしました。
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数社の候補の中から、D-TEC・HIDコンバージョンキットを選びました。
D-TECのHIDコンバージョンキットはアサヒライズ(株)FET-CATZブランド製品のOEMで、消費電力35ワット、色温度5700ケルビンの白色光です。
通常の車の電圧は12Vなのにハイブリッドのプリウスは突発的に16〜17Vまで上がることがあるそうですが、
このHIDは19Vまで耐えられる設計になっているとのことで安心感があります。
ディーラーでの取付け費用込みで約10万円と他の製品に比べ高価でしたが、製品の信頼性、保守性、そしてディーラーの推奨ということで採用しました。
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装着後、夜道やトンネルを走ってみましたが、明るくとてもいい感じです。20型に付いていたHIDよりも明るい気がします。これなら暗い道の左折時も人や自転車がよく見え、フォグランプを点けなくてすみます。
20型のHIDでは気になった、点灯開始時やコンライト(自動点灯/消灯)で明るい道から暗いトンネルに入った時のHID特有のタイムラグはほとんど感じず、すぐ本来の明るい光になります。
ただ、とても明るい上に、幾分青みがかった白い光なので、3年後の車検でひっかからないか気になるところですが、カタログには車検対応となっているし、ディーラーの技術者が、光軸を正しく調整して、きちんと取り付けてくれたので大丈夫でしょう。
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ヘッドライト(ロービーム・HID)を点灯した状態 (上のオレンジ色のランプは車幅灯) | ロービーム(HID)とハイビーム(ハロゲン)を点灯 HIDの光色の白さが分かります。 |
今回、プリウスのヘッドライトをハロゲンからHIDに変えた結果、暗い道での運転が楽になり、とても良かったと思っています。ところで、プリウスは最先端技術が売り物。なのに、標準装備のヘッドライトに、なぜ欠陥とも思えるほど暗いハロゲンを使っているのでしょう。メーカーの安全に対する考え方に疑問を感じます。
トヨタもそれを察しているのか、ハイブリッド車の兄貴分SAIのロービーム・ヘッドライトは、上位グレードはLEDで、その他はHID(ディスチャージ)を標準装備にしています。
プリウスもSAIのように、明るいHIDヘッドライトを標準装備にして、夜間運転の一層の安全性と快適性を高めることが必要ではないでしょうか。 |
HIDヘッドライトと、交換前のハロゲンヘッドライトの仕様
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D-TEC(CATZ)・HIDヘッドライト | オリジナル・ハロゲンヘッドライト | |
発光体 | アーク放電 | フィラメント |
消費電力 | 35W | 55W |
色温度(色) | 5700ケルビン(白色) | 約3000ケルビン(黄白色) |
明るさ | 3300ルーメン | 約1000ルーメン |
寿命 | 3000時間 | 約400時間 |
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