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PC周辺機器メーカならではの、HDレコーダ (2002.6.5)
---------- アイ・オー・データ:Rec−On --------------
昨年(2001年)9月のWORLD PC EXPO 2001で話題になったアイ・オー・データ機器のHDレコーダ。今年初めに近く発売との記事が新聞に載ったものの、待てど暮らせど発売にならず半ばあきらめていたのですが、4月末にやっと発売になりました。早速購入しました。
アイ・オー・データ機器は、最近はビデオキャプチャボードなど、ビデオ関係機器に力をいれてきました。その集大成ともいうべきものが、このHDレコーダです。
アイ・オー・データ機器の細野社長は、「家電にはない『アップグレード』の発想を盛り込んだ」と言っておられますが、HDの交換やUSBでパソコンと接続など、家電メーカーのHDレコーダーとはひと味違う、「情報家電の周辺機器」という位置づけになっています。
このHDレコーダは、本体部分とHDD部分で構成されていますが、本体だけでHDD無しというものはなく、HDD80GBモデルと40GBモデルで販売されています。なおHDD2台の増設はできず、交換のみです。交換用HDDは「HDA-i40」と「HDA-i80」として別売です。
私が購入したのは80GBモデルですが、購入価格は約7万円でした。VHSビデオデッキと比較すると、割高感がありますが、映像が圧倒的に美しいこと、頭出しが容易なこと、しかもHDDが交換できることを考えると、必ずしも高いとは言えないと思います。
サイズは、本体とHDDユニットで通常の外付けHDDの3つ分ぐらい。本体とHDDユニットが一体となって、すっきりとした良いデザインだと思います。ただ、本体とHDDの底面を樹脂製台座で連結するのですが、この台座が貧弱ですぐ外れてしまいます。ねじ止めするなり、もっとしっかりとしたものにすべきでしょう。
本体とHDDユニットの接続に使われるのは、アイ・オー・データ独自の「i・CONNECT」方式。i・CONNECTは専用ケーブルを使うことでUSB、IEEE1394、LANなどに接続することができます。
本体のみで行う録画機能では、予約は、日時とチャンネル、画質をリモコンで設定するシンプルなもので使いやすい。USBでPCと接続することでiEPGでの予約、携帯電話からの予約が可能ですが、どれだけ使いこなせるかは疑問です。
録画した番組は、リストメニューで選択するのですが、この時、先頭だけですが、画像のサムネイルが出るので、どんな番組だったかわかります。
ただ、メニューが、まるでDOS画面のように素っ気なくて味気ない。もう少し工夫したほうがよいと思います。
録画には、HQ、SP、LPモードと、3つの画質モードがあります。レーザーディスクから画質の良質のものを選んで、それぞれのモードで録画してみました。
自宅のテレビで見る限り、中間のSPモードで、鑑賞には十分です。また、長時間用のLPモードでは、輪郭が甘く感じられますが、VHSの3倍モードよりは遙かにきれいだと思います。
高画質のHQモードは、さすがに美しく、もとのレーザーデフィスクの映像との違いがわかりません。
PCにインストールする付属ソフトウェアは、Rec-On内部のファイルをPCにコピーするための「Rec-Onエクスプローラ」、Rec-Onのチャンネル設定とiEPGのチャンネルを合わせのための「Rec-Onチャンネル設定」、PCから録画設定を行なうための「Rec-On予約ウィザード」です。
製品添付の「Rec-Onエクスプローラ」に不良があり、Rec-On」のHDDから、PCのHDDにコピーした映像ファイルが、PCのソフトプレーヤーで再生できませんでした。しかし、アイ・オー・データのHPに対策版ソフトが載り、これをダウンロードして正しく表示できるようになりました。
スピーディーな対応は、アイ・オー・データならでは。大メーカーでは、こうはいかないと思います。
改善が望まれる点
パソコンに内蔵したり、外付けにしたりして、パソコンを使うテレビ録画機器は、いろいろな製品が出て来ました。しかしこれはパソコンが無ければ使えないということで、結構面倒なものです。パソコンに依存しないスタンドアロンのレコーダーの方が便利なことも多いと思います。
Rec-Onは、パソコン周辺機器として置いてじゃまにならないし、スタンドアロンで動く録画機器としても、適当だと思います。
ただ、パソコンの周辺機器としてみた場合、幾つか改善点が考えられます。
(1)PCとの接続は、USB1.1です。これでは、数ギガにもなる映像の転送には遅すぎます。USB2.0にしてもらいたいものです。
(2)PCへの転送は、4ギガバイトが最大。4ギガを超える残りはPCに取り出せません。SPモードでも1.5時間位で4ギガバイトを超え、通常の映画は後ろが切れてしまいます。
(3)Rec-Onのファイルのフォーマットは、Windowsで使われているFAT32やNTFSではなく、独自のフォーマットのようです。このため、Windowsの普通のユーティリティでファイルを見ることが出来ず、「REC-Onエクスプローラ」を使ってPCにコピーする以外のことは出来ないのは、不親切。
こんなわけで、Rec-Onは、PCに接続して使うHDレコーダーとしてみると、完成度が今ひとつです。
HDへ録画された映像が、この上なく美しいし、スタンドアロンでは使いやすいだけに、メーカーのアイ・オー・データが、ファームウェアや制御ソフトの改善を行って、PCとの接続を、より完成度の高いものにしてくれることを期待しています。
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