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瀕死の白鳥:富永黎     (2018.7.4)
とても美しい「瀕死の白鳥」のバレエを見ました。YouTubeに載っていた富永黎というダンサーの踊りです。 富永黎は特定のバレエ団に属さぬフリーのダンサーで、SS Ballet Classというバレエスタジオの講師です。 バレエで培った美しい容姿と美貌で、SLAVIA CRYSTALのモデルも務めているようです。 YouTubeには「瀕死の白鳥」の稽古とスタジオでの踊りの映像が載っていました。いずれも楽しめましたが、特に稽古の映像の踊りが素晴らしく、うっとりと見とれてしまいました。
 
 
「瀕死の白鳥」は、若さの芸術と言われるクラシックバレエの中で、年齢を重ねて踊り込むほど味が出てくると言う異色の作品です。 派手で見栄えのするパが少ない上に、ゆっくりとしたテンポの振りの連続で失敗するとごまかしがききにくい上、最初から最後まで一人で踊り通さなければならず、 肉体的にも精神的にも、きつい踊りとされています。
私は「瀕死の白鳥」を好んで観てきたのですが、この富永黎の「瀕死の白鳥」の稽古の映像に目が釘付けになりました。この気品に満ちた死に至る白鳥の舞に、最初から最後まで一時も目を離せませんでした。 富永黎は、ごまかしがきかないボロがでやすいこの踊りを、正確にゾクゾクするほど美しく魅力的に踊っていました。 特に、一度床に臥せり、最後の力を振り絞って立ち上がり、再び倒れてしまう場面の演技の素晴らしさと、愁いを帯びた表情の豊かさと美しさに感動でした。
 
こんなに感動した「瀕死の白鳥」は久しぶりです。死に至る白鳥に自らの力を出し切って踊り切った舞姫に、「お疲れ様!!」と労をねぎらってあげたい気持ちになりました。
 
なお、あと二つのうちの一つは、ピアノの伴奏に乗って踊っている映像で、残りの一つは、舞台での映像です。二つとも美しくて素敵ですが、ピアノの伴奏の方はチョッと平板な感じがしたし、 舞台での映像の方は、緊張しているのかやや踊りが硬い気がして、稽古の映像ほどの感動は覚えませんでした。 稽古の映像では、自分の『最高の白鳥を踊るんだ』という富永黎の意気込みがひしひしと感じられ、精魂込めて稽古に励んでいるの姿は本当に美しく、うっとりと見入ってしまいました。

瀕死の白鳥リハーサル(富永黎)rei_ballet
 

瀕死の白鳥(富永黎) 

瀕死の白鳥(富永黎) 福岡アクロス円形ホール

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