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Bolshoi Ballet: Return Of The Firebird    (2004.9.18)

ボリショイバレエによる、「ペトルーシュカ」、「火の鳥」、「シェエラザード」の3作品を収録したDVDがあります。劇場でのライブではなく、スタジオ(Mosfilm studios)での撮影です。監督はアンドリス・リエパですが、彼自身も踊っています。
 
まず、「ペトルーシュカ」。賑やかな市場、雑踏の中、ある人形使いが現れます。取り出したのは、3体の人形です。踊り子、ムーア人、そしてピエロのペトルーシュカ。日も暮れて、人形使いは3体の人形をしまいます。そして第2部、ピエロの人形ペトルーシュカは踊り子に恋をしました。そんなある日、踊り子が自分の部屋へと遊びに来てくれました。そこでペトルーシュカは思いを打ち明けますが、振られてしまいます。第三部、踊り子はムーア人の部屋へと入っていき、ムーア人とワルツを踊ります。これを見たペトルーシュカは、嫉妬に燃え、ムーア人のもとに殴りこみをかけます。激しい闘いが始まりますが、立場は逆転、逃げるペトルーシュカ、追うムーア人。
第四部、広場は相変わらずの賑やかさ。そこへやって来たのはペトルーシュカ。後ろにはムーア人。ついにペトルーシュカは捕まってしまいます。ムーア人に必死で抵抗するペトルーシュカ。しかし、ペトルーシュカは殺されてしまいます。人形使いは、ペトルーシュカの死体を、賑やかな広場を横目に、静かにひきずっていきます。その後、ペトルーシュカの幽霊が屋根の上に現れて幕となります。 ペトルーシュカは、アンドリス・リエパですが、寂しい役を上手に演じています。タチアナゲレスカヤも可愛らしい踊り子でした。
続いて「火の鳥」。王子イワンは旅の途中で深い森の中に迷い込んでしまいます。そこは魔王カスチェイの支配する闇の世界です。そこに突然、顔は人間、体は鳥という「火の鳥」が舞い降りてきます。火の鳥は「火の鳥のヴァリエーション」を踊ります。王子イワンは火の鳥を捕らえるが、火の鳥は魔法の羽根を与えるので逃がして欲しいと嘆願します。王子は願いを聞き入れ、火の鳥を解放します。やがて夜が明け、大きな門の中で、乙女達が黄金のリンゴと戯れています。彼女たちは魔王カスチェイに捕らえられた王女とその侍女達なのです。イワン王子が加わり、静かな踊りを踊ります。そこへ、魔王カスチェイと手下の怪物達が現れ、襲いかかってきます。王子は火の鳥からもらった羽根を出し、火の鳥を呼び出します。飛んできた火の鳥は魔法で、カスチェイ達をに激しい踊りを踊らせます。踊りが最高潮に達したときカスチェイ達は疲れてぱったりと倒れてしまいます。火の鳥は子守歌を歌い、カスチェイ達を深く眠らせてしまいます。王子はそのすきにカスチェイの生のもととなっているという卵を叩き割り、カスチェイ達は、死んでしまいます。遠くから古いロシア民謡が聞こえ、すべての魔法が解け、民衆が解きはなたれます。
王子は王女に求婚し、火の鳥の祝福を受けて、2人の結婚をし、魔法が解かれたすべての人々とともに大円団となります。
火の鳥は、ニーナ・アナニアシヴィリです。シヴィリのメイクアップが凄く、恐ろしいようですが、美しい踊りは流石で、演出もファンタジックで見応えがあります。王子イワンは、こちらもアンドリス・リエパです。
「火の鳥」の映像は、マーゴ・フォンティーンの火の鳥の映画「ロイヤル・バレエ」版、リアン・ベンジャミンの火の鳥の新しいロイヤルバレエ版、グレタ・ホジキンソンの火の鳥のカナダ国立バレエ版、それに今回のシヴィリのボリショイ・バレエ版を持っています。 スピード感溢れる今回のシヴィリの火の鳥はとても楽しめました。でも私はフォンティーンの火の鳥が最も好きです。30代の終わり頃のフォンティーンが最も脂の乗り切った時代の映像で、躍動的で、かつ少しコミカルな感じで、かといって彼女独特の優雅さを失わず、踊りのみならず演技がとても素晴らしく、絶頂期の彼女を知ることが出来る貴重なフィルムだと思います。
最後に「シェエラザード」。シェーラザードは、千一夜物語。オムニバスのような、一つの物語のような....。リムスキーコルサコフ作曲のこのバレエは、以下の4曲から成っています。
   第1曲 海とシンドバットの船
   第2曲 カレンダー王子の物語
   第3曲 若い王子と王女、
   第4曲 バクダッドの祭、船は青銅の騎士のある岩で難破
ダンサーはトゥシューズを履いていて、ダンス・クラシックの技術で踊っているのですが、いつものクラシックバレエと違い、とても色っぽくて妖艶でした。
 
なお、このDVDはUniversal Music Russia製ですが、リージョンフリー(All Code)なので、国産のDVDプレーヤーで視聴できます。ただしメニュー画面は英語で、日本語字幕はありません。

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