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ストラヴィンスキー「火の鳥」「結婚」:ロイヤルバレエ      (2004.04.17)

ロイヤルバレエ版の「火の鳥」と「結婚」のDVDが有ります。
「火の鳥」は、ストラヴィンスキーが自らがロマンティックでカラフルと呼んでいたとのこと。このDVDは、フォーキン、ニジンスカという、今ではスタンダードとなった二作品の振付を、現代のロイヤル・バレエの精鋭たちが再現、ワイドスクリーンのドルビー・サラウンドで収録、ストラヴィンスキーの言うロマンティックでカラフルな舞台を存分に味わうことが出来ます。
 
1960年代に作成された「ロイヤルバレエ」という映画の中に、マーゴ・フォンティーンが踊った見事な「火の鳥」の映像があります。フォンティーンの火の鳥は、躍動的で、かつ少しコミカルな感じで、なかなか楽しめました。30代の終わり頃のフォンティーンが最も脂の乗り切った時代の映像で、絶頂期の彼女を知ることが出来る貴重なフィルムだと思います。フォンティーンは、ルドルフ・ヌレエフと出会い、更に20年ほど活躍するのですが、内面的に充実してくるものの、やはり年齢には勝てず、技術的には、この映画の頃が絶頂だったと思います。
 
このDVDでは、リアン・ベンジャミンが火の鳥、ジョナサン・コープがイワン王子に扮しています。リアン・ベンジャミンは、ほっそりとした体ですが、なかなかパワフルで、舞台狭しと駆け回って火の鳥の激しい動きを表現しています。「火の鳥」はロシアの民話を取り入れられているということですが、このロイヤル版には、衣装、舞台、演出にはそうした要素は感じられませんでした。管弦楽は色彩的できらびやかで、ストラヴィンスキーの音楽をよく表現しています。当たり前といえばそれまでですが、映像、音声の良さは、映画「ロイヤルバレエ」とは雲泥の差です。
「結婚」はこのDVDではじめてみたのですが、不思議な世界でした。ニジンスカの振り付けがもの凄いのですが、美しいゼナイダ・ヤノウスキーがとても上手に踊っています。
 
このDVDには、ストラヴィンスキー自身が指揮した1960年代のテレビ映像も見ることができます。また、ニジンスカのオリジナル振付で踊ったデーヴィッド・ドリューのインタビュー、「火の鳥」と「結婚」のリハーサル・シーンも収録されています。
 
バレエ「火の鳥」
音楽:ストラヴィンスキー
配役:「火の鳥」:リアン・ベンジャミン(火の鳥)、ジョナサン・コープ(イワン王子)
 ジュネシア・ロザート(美しい王女)、デーヴィッド・ドリュー(魔王カスチェイ)
「結婚」:ゼナイダ・ヤノウスキー(花嫁)、デーヴィッド・ピカリング(花婿)
収録:2001年、ロンドン、コヴェント・ガーデン王立歌劇場

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