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ドン・キホーテ〜パ・ド・ドゥ:タマラ・ロホ、フェデリコ・ボネリ   (2009.2.22)

英国ロイヤルバレエでファンを二分している、アリーナ・コジュカルとタマラ・ロホ。あたかもジゼルの主人公ように繊細で守ってあげたいと思わせる可憐なコジョカル、ドン・キホーテなどでバランスと回転の超人的な技術を見せて観客を興奮させるロホ。コマネチの国ルーマニア出身の妖精コジョカル、スペイン出身の情熱的なロホ、お国柄を反映しているようで興味深い。それにしても、ロイヤルバレエには、かってのマーゴ・フォンティーンのような英国生え抜きのプリマがいないのは寂しい限りです。
タマラ・ロホが、ドン・キホーテのパドゥドゥの稽古をしている映像があります。稽古では、大勢の仲間のダンサー達が見守る中、極限のバランスやフェッテに挑戦し、皆を驚かせています。 アダージョの見所、アチチュードのバランス。右足のポアントで立ち、左手を腰にあて、右手をアンオーに挙げてパートナーに掴まります。片足のバランスを確実に確保したところで、慎重に右手を離します。グラッと体が揺れましたが、グッと堪えます。つま先を巧みに調整し、そのままジ〜〜と耐えて、バランスを保ち続けます。パートナーは「いつでも掴まっていいよ」と手を差し出していますが、最後まで手を触れずに、懸命にバランスを続けます。その長さは、なんと15秒近く。見ていた仲間のダンサー達は、「ワー、凄〜い!!」と驚きの叫びを上げ、稽古場は拍手に包まれました。コーダのグランフェッテも手堅くまとめました。

そして、本番の舞台。パートナーは、フェデリコ・ボネリ。稽古と同様に、パートナーのサポートの手に、一度も触れることなく、ずうとバランスを持ちこたえたのです。興奮した観客はブラボーの嵐。思わずにっこりしたロホ。ゴーダのグランフェッテもトリプルを含めて危なげなく回り、フィニッシュでは、10回転も回りきり、再び観客は興奮し、ブラボーの声と大きな拍手を受けました。「やった!!」という感じのロホの表情、いいですね!!。
この映像も、私の大切な宝物です。

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