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瀕死の白鳥:ウリアナ・ロパトゥキナ   (2005.4.23)

-素敵な「瀕死の白鳥」の映像を見ました。2003年5月、ペテルブルク建都300年を記念した「ペテルブルク300年ガラ」で、ウリアナ・ロパトゥキナという若いバレリーナが踊ったものです。
ともかく、観客が超VIP、ロシアのプーチン大統領 仏のシラク大統領、英のブレア首相夫妻・・・。こんな人達の前で踊るのですから、ベテランと言えども、そのプレッシャーたるや相当のに違いありません。ましてや、若いロパトゥキナのこと、その緊張は想像に絶する物があります。
でも、ロパトゥキナ、そのプレッシャーをはねのけて、素晴らしい「瀕死の白鳥」でした。登場するなり、プロポーションの良さに驚かされます。これだけは日本人では、どう頑張ってもかなわない。最初緊張のためか、アームスの動きにやや堅さが感じられましたが、次第にしなやかさが増し、白鳥の翼そのもののようになってきました。何より美しいのは、ポアント。脹ら脛からつま先にいたるカーブ、それが柔らかく波打ち、それに甲がとても美しく、小刻みに動くトゥが何とも優雅。理想のブーレとはこんなものかと思いました。結構激しい振りにもかかわらず、それがわざとらしくなく、ごく自然に感じます。
生命力を最期の瞬間まで燃やし尽くして死を迎える・・・・。見事な「瀕死の白鳥」でした。

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