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初々しいルンキナのジゼル     (2002.6.18)

素敵な「ジゼル」を見ました。
CSクラシカジャパンで放送されたボリショイ・バレエの公演のライブです。1997年収録と新しいだけあって、映像はこの上なく美しく、録画によるバレエの楽しさを満喫させてくれます。
 
主役は、次代を担うボリショイの新星として大いに期待されているスヴェトラーナ・ルンキナ。私は、彼女を見るのは初めてですが、まだあどけなさを残した顔、ステップの軽快さ・・・・
一幕の最初の出から、画面に釘付けになってしまったほどでした。
この時、17歳ということですから、初々しいことこのうえない。でも、将来のスターを感じさせる貴重な映像だと思います。
二幕もとても素晴らしい。一幕は良いけれど、二幕の精霊はチョットというバレリーナもいますが、このルンキナ、一幕の初々しさ、可愛らしさが、二幕の悲劇を、一層悲劇的なものにしてしまうのです。とにかく動作が愛らしい。そして動きが極めて美しく正確。指先まで神経が行き届いています。今まで、いろいろなバレリーナのジゼルを見ましたが、このルンキナ、最も好きになったものの一つです。
 
私は、どちらかというと、ボリショイのバレリーナは、スペクタクルで大味、キーロフのバレリーナは、繊細で可憐という先入観を持っていたのですが、このルンキナに限っては、
これは全くあてはまりません。今まで見たキーロフのどのバレリーナよりも可憐で、「ジゼル」そのものという感じです。
このルンキナ、16歳のオーロラ姫を踊ったら、どんなに素敵だろうと思います。オーロラの出〜ローズ・アダージョ、想像するだけでわくわくします。でも、第三幕の妻となった女性を演じるのは難しいかな・・・・・・、一度見たいものですね。
 
ただ、第一幕のペザント・パ・ド・ドゥが、パ・ド・ドゥではなく、男女それぞれ4人の群舞に変わっていました。私は、この農民のパ・ド・ドゥが大好きなので、チョット残念な気がしました。

CSクラシカジャパンは有料、しかも視聴料はとても高い。
でも、こんな素晴らしい放送をしてくれると、なるほどと納得してしまいます。
出来れば、日本人バレリーナの踊りも放送してくれると有り難いですね。
これからも、このような素敵な映像を届けてくれることを期待しています。
 
バレエ「ジゼル」
[振付]ジェーン・コラリ、ジュール・ペロー、マリウス・プティパ、
  アレクサンドル・ゴルスキー、レオニード・ラヴロフスキー、ヴラディーミル・ヴァシリエフ
[音楽]アドルフ・アダン
[出演]スヴェトラーナ・ルンキナ(ジゼル)、ニコライ・ツィスカリーゼ(アルブレヒト)
   ボリショイ・バレエ団、ボリショイ劇場管弦楽団
[収録]1997年モスクワ・ボリショイ劇場

 
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