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小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラ
ここに一枚のレーザー・ディスクがあります。
小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏のブラームスの交響曲第1番で、
1990年のロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールでのライブです。
7年程前、レコード店でふとこのレーザー・ディスクが目にとまり、
試しに聞いてみようと衝動的に買ったものです。
当時私はサイトウ・キネン・オーケストラの名前をうすうす知っていたものの、
演奏を聞いたことはありませんでした。
しかしレーザー・ディスクをかけてみて、とても澄んだ音色と雄大なスケール、それに
一糸乱れぬ演奏に驚かされました。
さらに画面に映る演奏者の豪華さにびっくりしました。ヴァイオリンの
潮田益子、チェロの倉田澄子、オーボエの宮本文昭、フルートの工藤重典など、
日本を代表する一流の演奏家が顔をそろえています。
この直前にチャイコフスキーコンクールのゴールドメダリストとなったばかりの
諏訪内晶子さんの顔も見えます。
それもそのはず、サイトウ・キネン・オーケストラは、小澤征爾の呼びかけにより、
故、斎藤秀雄を記念して桐朋学園の卒業生や在校生によって作られたオーケストラです。
楽団員それぞれが、ソリストとして国際的に活躍している人達だけに、技術的に超一流である
ことは言うまでもありませんが、全員が音楽に集中している緊迫感と気迫が感じられるようで、
これがこのオーケストならではの魅力に思えます。
私はそれまでブラームスの作品をほとんど聞かなかったのですが、このレーザー・ディ
スクを見てから、ブラームスが好きになり、交響曲2、3、4番と続けてCDを
買ってしまいました。いずれも小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラの演奏です。
楽団員は世界中で活躍しているヴィルトーゾ達ですから、なかなか一同に会するのは
難しいのですが、毎年一回、夏に松本市のサイトウ・キネン・フェスティバルに集まり、
小澤征爾のもとで見事な演奏を聞かせてくれます。
ただ、最近、小澤征爾とサイトウ・キネン財団との間がしっくりいっていないという
記事をみました。こんなことで、オーケストラの活動に障害が出たら大変です。
サイトウ・キネン・オーケストラのファンとしては、ぜひ、こんなつまらないトラブルは早くやめて、
いつまでも素晴らしい演奏を聞かせてくれることを願ってやみません。
レーザーディスクのジャケット
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