【トップページへ戻る】
ライヴァル「サリエリ」の主題によるモーツァルトの変奏曲
「私のアド−ニスよ」による6つの変奏曲ト長調K180(173c)

映画「アマデウス」でモーツァルトのライヴァルとして描かれているサリエリは、モーツァルトより6歳年上で、当時、ウィーンの宮廷楽長というモーツァルトにとっては憧れのポストでした。
この変奏曲はサリエリのオペラ「ヴェネチアの市」第2幕フィナーレからテーマを採っていると言われています。
モーツァルトにしてみれば、サリエリへの一種の表敬であり、ウィーンに出てきて就職への下心があったのかもしれません。

私は、「ヴェネチアの市」がどんなオペラだったのか知りませんが、第1変奏から第6変奏まで、強弱の対比も駆使しながら生き生きとした動きのある曲になっています。
この一連の変奏曲の特徴として、「短調」の曲が一曲もないことです。全部で8分程度の短い曲で、技巧的ににはそれほど難しい曲とは思えませんが、即興的で自由な指の動きを彷彿とさせる軽やかな変奏曲です。
映画「アマデウス」の中で、少年モーツァルトがクラヴィアでサリエリの旋律を自由自在に弾いている場面が思い出されます。

私の愛聴盤は、ヘブラーの「モーツァルト・ピアノ変奏曲集」です。ジャケット

【トップページへ戻る】