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アンセルメの「シェーラザード」     (2002.4.21)

リムスキーコルサコフが作曲した「シェーラザード」という曲があります。
シェーラザードは、アラビアの昔話のお姫様。お妃の裏切りに怒り狂ったシャーリアール王は、妃を打ち首にしただけでは収まらず、妃への復習として、毎晩一人ずつ処女を宮殿に召しては、翌朝に殺してしまうという暴挙に明け暮れていました。
そんなある日、シェーラザードがその王の復讐の床に召されます。しかし、彼女がその床で語り出した物語のあまりの面白さに、王はシェーラザードを殺すことが出来なくなりました。「この続きは、また明日の夜いたしましょう。」と、毎晩毎晩その物語は続きました。こうしてシェーラザードは3年と9カ月後、復讐の処刑を免れて晴れて王の妃になったのです。
この、王とシェーラザードの3年と9カ月が「千一夜」で、アラビアン・ナイトの物語です。シンドバッドの冒険、アラジンのランプ、アリババ等々、みな、シェーラザードが語り綴った物語なのです。
 
このアラビアンナイトの物語をもとに、リムスキーコルサコフは交響組曲「シェーラザード」(Symphonic Suite "Scheherazade" Op.35)を作りました。
全曲に幾度も流れる、切ない感じのシェーラザードの主題を中心に、威嚇的な感じのシャーリアール王の主題、そしていつかの海の主題からなる、ドラマティックな美しく組曲です。
 
交響組曲「シェーラザード」には、多くのレコードがありますが、私は、エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団のものを愛聴しています。録音は1961年、もちろん、アナログのLPレコードです。当時のDECCAの最新技術であるFFSS録音で、1961年の録音とは思えない素晴らしい音質です。
 
リムスキー・コルサコフ作曲
交響組曲「シェーラザード」 Op.35
  第1曲 海とシンドバットの船
  第2曲 カレンダー王子の物語
  第3曲 若い王子と王女、
  第4曲 バクダッドの祭、船は青銅の騎士のある岩で難破

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