とても興味深いバレエの映像がyou tubeに載っていました。
パク・ソンミ 박선미(SeonMee Park)と、
イ・スンヒョン 이승현(Seunghyun Lee)という、韓国のダンサーの踊りです。
コメントには、2016年のハンイェゾング英材院定期公演(한예종 영재원 정기공연)の録画となっています。
イ・スンヒョンはユニバーサルバレエ所属のプロのダンサーですが、パク・ソンミはSunhwa Arts High School, Seoulの学生のようです。
初々しく可愛らしいパク・ソンミが、ベテランのイ・スンヒョンの力強く暖かなサポートを受けて伸び伸びと踊っていて、心温まるパ・ド・ドゥでした。
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アダージョ序盤の男性に腰を支えられてア・ラ・ズゴンドからバッセにして反る難しい女性のパ。パク・ソンミは、イ・スンヒョンにしっかり支えられて、とても優雅に踊りました。
中盤の見せ場のリフト。イ・スンヒョン に高々と頭上に挙げられたパク・ソンミは、エビのように仰向けに背中を反らせた妙技に、観客から大きな拍手。
直後、イ・スンヒョンの肩の上で上下の向きを変えてフィッシュダイブ。ややぎこちないところもあったけれど破綻無く決めて二人とも笑顔。
パク・ソンミがイ・スンヒョンを信頼しきっているようで、一区切りごとにお互い顔を見合わせて確かめ合う姿が何とも微笑ましい。
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アダージョ終盤は、通常、パートナーの手を離してアティテュードのバランスを決める振り付けがあり、これが見所の一つですが今回はこれが無かった。
アティテュードの代わりにアラベスクでした。でも、この振り付けが、なかなか魅力的。
左足のポアントで立って右足を水平に保ったパク・ソンミは、、右腕をパートナーに支えられてプロムナード。一回転したところで、アラベスクパンシェ。
右腕で支えながら、ゆっくりと体を倒していき、右脚を挙がるだけ挙げるという難しいポーズ。
支えの右腕がガクガク揺れて、今にも崩れそうでかなり辛そうだったけれど、歯を食いしばって必死に堪えて120度まで挙げたのは偉い。
『出来た!!』と思わず浮かんだ笑みが美しかった。
フィニッシュでは、これまた支えの右腕がガクガク揺れてながらも、懸命に頑張って180度まで脚を挙げ、顔を正面に向けてフィニッシュ。観客の拍手とブラボーの叫びを誘いました。
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イ・スンヒョンはパク・ソンミの動きをよく見て、適切なサポートをしていました。
パドドゥのアダージョは二人の踊りですが本質的には女性の踊りで男性は引き立て役です。
アダージョは最も二人の呼吸が要求されるところ。二人の呼吸が合わなかったら、女性はバランスを失ったり、リフトでは転落、大怪我・・・ともなりかねません。
女性の技が成功するか否かは、相手の男性如何にかかっているといっても過言ではないでしょう。
またステージの奥でパドドゥのスタンバイをしているとき、どんなに経験を積んだバレリーナでも緊張するでしょう。そんな時、力強い男性パートナーの存在は彼女にどんなにか強い安心感を抱かせることでしょう。
それほどクラシックバレエの舞台で、女性にとってサポートの男性は重要な存在です。男性ダンサーは自分が踊るだけでなく、相手の女性に最高の踊りをさせることが必要なのです。
ダンスールノーブルという言葉は、自分の踊りがうまいだけでなく、相手の女性の魅力を最大に引きだすことが出来る男性ダンサーに与えられた、吊誉ある呼び吊なのです。
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アダージョ後のレヴェランスで、イ・スンヒョンに「上手なサポート有難う《と感謝に満ちた眼差しを投げかけていたパク・ソンミの微笑みが美しかった。
間違いなくイ・スンヒョンにはダンスールノーブルと言えるのでしょう。
信頼しきった男女の美しい姿・・・、こんな場面を見れることも、男女の共同作業であるアダージョの魅力でしょう。
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パク・ソンミのヴァリエーションは本当に見事。脚を高く跳ね上げる3回のグランバットマンは全くブレが無く、美しいこと。
見せ場の、片足のポアントで立って、反対の脚の爪先で3回×3タンブリンを打ち付けるパも、9回ともバッチリ決まって見事でした。
日頃の厳しい稽古の賜物でしょう。極め付きは、タンブリンを真上に上げ、右脚をしっかり曲げ、左足をまっすぐ後ろに足を伸ばして床にぴったり付けてフィニッシュ。
バッチリ決まった美しいポーズに『やった!!』とばかりニッコリ。ワァーという観客の叫びと、怒涛のような拍手・・・。賞賛の嵐でした。
コーダのパク・ソンミのグランフェッテは、回転は緩やかだったけれど、正確でとてもスムーズ。途中ダブルを入れて、16回、破綻無く回りきったのは流石でした。 最後は脚は挙がるだけ挙げたほうがよいとされるグランバットマンでは、180°まで脚を振り上げ、爪先で『バン!』とタンブリンを打ち付けて終了。 拍手喝采でした。レヴェランスでは、首筋には汗が滲んで、肩で大きく息をして、ハァハァという吐息が聞こえるよう。 『無事終わって良かった!!。ありがとう』と、パートナーと労をねぎらい合っている姿が微笑ましかった。 |
パク・ソンミは、体も心も健康的な少女という感じで、溌剌としてキビキビとした身のこなしと可愛らしい表情。
それでいて、アダージョのゆっくりして柔らかな動きもきちんとこなす。
ダンサーにしてはやや小柄ながら、小さな頭に、長い脚という均整の取れたプロポーション。
病的なまでに華奢で弱々しさを感じさせる舞姫が多い中、クラシックバレエには珍しく、豊かな胸、スッキリ伸びた肢体とふくよかな太腿からは健康的な色気が漂う。
とりわけ、くるぶしからトゥの先端までまろやかな弧を描く甲の美しさは、日頃の稽古とケアの賜物でしょう。
最初緊張していたようだけれど、次第に笑みを浮かべる余裕も出てきて、最後は踊ることが楽しくてたまらないといった感じでチャーミング。
このエスメラルダ、少女のように可愛らしいパク・ソンミと、ダイナミックながらもパートナーへの優しい気配りのイ・スンヒョンとの、
とても気のあった素敵な踊りを楽しめました。
에스메랄다파드되 박선미 이승현
2016년 한예종 영재원 정기공연 → パク・ソンミは、2015年のローザンヌバレエコンクールで入賞は逃したものの最終選考まで残りました。 この時のパキータ~パ・ド・トロワの第1ヴァリエーションがYouTubeに載っていますが、軽快なステップで、終始微笑を絶やさず、可愛らしい素敵な踊りです。 SeonMee Park - 2015 Prix de Lausanne Finalist - Classical variation
2015/02/11 SeonMee Park - Sunhwa Arts High School, Seoul, South Korea - Paquita, First girl’s variation, pas-de-trois Act 1 - Léon Minkus - Marius Petipa
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また、パク・ソンミがPre-junior-Seoul International Dance Competition 2013で、眠れる森の美女のヴァリエーションを踊った映像もYouTubeに載っていますが、 これも可愛らしく素敵な踊りです。
Seon Me Park The Sleeping Beauty Ballet Pre-junior- Seoul International Dance Competition 2013
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