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コシ・ファン・トゥッテ:パリ・シャトレ座  (2006.5.7)

CS放送シアターTVでパリ・シャトレ座の「コシ・ファン・トゥッテ」が放送されました。
このオペラの題名の意味は、「女は皆こうしたもの」というもので、内容はとにかく観ているだけで爆笑なのですが、ちょっと人事では済まされないという感じもします。1790年にウィーンの宮廷劇場で初演されてから150年間も忘れられていたそうですが、200年以上経た今日でも全く古典特有の古くささを少しも感じさせず、 私は、いわゆるモーツァルトの4大オペラの中でも特にアンサンブルに秀でた傑作と思います。
物語は、2人の士官グリエルモとフェランドは、それぞれの恋人フィオルディリージとドラベッラ姉妹の貞節を試そうと、老哲学者ドン・アルフォンソの仕組んだ芝居をうちます。二人はアルバニア人に変装し、互いの恋人を誘惑するのですが。姉妹は次第に変装した互いの恋人に惹かれ始めてしまう・・・という他愛ないもの。
アンサンブルの美しさが際立っていると言われる「コシ・ファン・トゥッテ」ですが、登場人物の数が極端に少ないにもかかわらず、歌手が一対ずつの組に分けられた特徴あるアンサンブルとなり、それぞれのアンサンブルが調和して、このオペラ独特の美しさを醸し出しています。
ガーディナーの演出は、全体にテンポがゆっくりで、かってのべームを思わせるようにオーソドックスな表現で、 デリケートな女心の動きをうまく表現した舞台で、私は好きです。1992年のライヴ録画ということですが、映像も音声もきれいで楽しめました。

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