これは、1994年頃、「バレエ誕生」という番組で放送されたもので、下村由理恵が20歳台後半に夫の篠原聖一と踊った映像です。
下村由理恵はこの頃英国スコティッシュ・バレエのプリンシパルだったため、
日本に戻った僅かな時間に撮影したとのこと。旅の疲れか、ポアントのバランス若干不安が感じられたものの、要所をビシッと決め、ふっくらした肢体からはほのかな色香を感じさせる魅力溢れる踊りでした。王子は15歳年上の篠原聖一。彼女は、篠原聖一について、「一時帰国して踊っても、時差ボケでふらふらなのにもかかわらず、すぐに踊れてしまった。
それだけお互いのクセも何もかも分かり合っているんだと思います」(バレリーナのアルバム:新書館)と言っていますが、
ご主人の篠原聖一の好リードに支えられて、アチチュードは繊細で、アラベスクは優雅に、素敵なパ・ド・ドゥを踊りました。
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三度のフィッシュ・ダイブでは、「行くわよ!!」、「まかしとけ!!」と掛け声をかけたかのように、勢い込んで頭から飛び込んでくる下村由理恵を、篠原聖一は、がっちりキャッチ。二人の息はぴったりで、下村由理恵は、脚を高々と垂直に蹴り上げた美しいポーズをビシッと決めました。三度目のフィッシュ・ダイブを無事終えて、篠原聖一は優しく下村由理恵を抱き起こし、「うまく行ったね!!」、「ありがとう」と顔を見合わせている姿が微笑ましかった。
お互い信頼しあっている夫婦だからこそハーモニーの美しさでしょう。また、下村さん、オーロラ姫のヴァリエーションでは、しっとりしなやかな、指の先まで神経の行き届いた丁寧な踊りでした。
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