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省電力MPUクルーソーの安心感       (2001.5.26)

 
私は仕事柄、大阪へ出張する機会が多いのですが、この中で実感していることがあります。 今使っているノートPCでは、バッテリー切れの心配がないことです。
このノートPCのMPUには、トランスメタ社のクルーソーを使用しています。デファクトスタンダードであるインテル社のペンティアムではないのです。
 
東海道新幹線「のぞみ号」は、新横浜〜新大阪間を2時間15分で走ります。私はこの間に、ノートPCを使って行きは打ち合わせの為の資料作り、帰りは打ち合わせの議事録などのメモ作りなどの仕事をするのですが、乗車前にフル充電しておけば、乗車中にバッテリー切れになることはありません。これは非常に有難いことです。
 
以前使っていたペンティアムMPU搭載のノートPCの時は、重い大容量バッテリーを接続しても、乗車中にバッテリーが切れてしまったことも度々。
その点、この省電力PCは大丈夫。またMPUのスピードも500MHZでありワープロ・表計算には十分。この安心感は、何物にも変えがたい有難さがあります。
 
今まで、半導体の集積度に比例して、MPUの速度が上がるというムーアの法則が、MPUの発展を支えてきました。しかし、集積度が上がれば上がるほど、消費電力と発熱量が 増大します。現在のペンティアムWでも、60ワットの電球ほどの発熱量があるとのことで、冷却しなければ、すぐ100度C位にあがり、CPU本体や周辺機器に悪影響を及ぼしてしまいます。
ムーアの法則によれば、2010年頃、MPUの駆動周波数は数十ギガヘルツに上がることになります。一方、発熱量も増大し、冷やさなければ自分自身が焼けてしまいます。勢い冷却ファンも大型化し、これを回すためにさらに電力が必要になるというわけで、悪循環になってしまいます。
 
クルーソーは、MPUのハードウェアの性能の4分の3をソフトが補い、MPUの負荷を監視し、消費電力をきめ細かく調整するというものです。ムーアの法則を否定はしていないものの、独自の発想とを実現した技術で、MPUの高速化と省電力化を合わせて実現しようというものです。
 
クルーソーのMPUは今までは日本のメーカー製のノートPCに使用されてきましたが、最近、サーバーにも使用され始めました。米ベンチャーのRLX社のサーバーがそれです。消費電力が通常のサーバーの5分の1とのことです。マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、このサーバーの発表日、食い入るように見入っていたそうです。世界のマイクロソフトのトップであるバルマーを驚嘆させるほど、省電力サーバーが期待されているということなのです。
また、ごく最近、NEC米沢が消費電力が従来の十分の一程度の小型サーバーを開発しました。MPUには、やはりクルーソーを使い、冷却ファンがなく、無音に近いとのこと。OSには、LinuxとWindowsを選択可能にし、当初OEM価格約13万円で他のメーカーに提供するそうです。
 
今後、家庭内にも複数のPCがおかれ、ネットワークを構成するのが一般的になる時代が来るでしょう。
この時、電力消費量が大きな要素になります。クルーソーのような省電力MPUは時代に即したものと言えるに」違いありません。

    

クルーソー搭載の私のノートPC    クルーソーMPU

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