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A・シュミットのモーツァルト・ピアノ協奏曲全集           (2011.1.26)

10年程前、たまたま行きつけの横浜のレコード店で、独CORONA CLASSICSという廉価盤レーベルのアンネローゼ・シュッミットのピアノ、クルト・マズア指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトピアノ協奏曲全集のCDが売られていました。アナログ時代、アンエリーゼ.シュミットのモーツァルトのピアノ協奏曲は、名盤の誉れ高く、私も何枚かのLPレコードを買って親しんできました。この全集は、1〜4番とコンサート・ロンド及び複数ピアノの作品が抜けているとは言え、CD10枚の全集で、およそ2,500円と驚くほど安く、衝動的に買ってしまいました。
 
最近、改めて聞き直してみると、これがなかなか良いのです。まず録音がとても自然。旧東ドイツ系のアナログ録音(オイロディスク原盤)は、中低音が豊かで落ち着いたものが多かったのですが、これもその一つで好感を持てます。
 
アンネローゼ・シュミット(Annerose Schmidt, 1936 - )は、ドイツ、ヴィッテンベルク出身のピアニスト。一般的な女流ピアニストにあるような華やかさは無いが、ドイツらしい堅実な響きの音を奏でるという評判です。この全集のシュミットのピアノの演奏は、あまり細部まで神経質にならず、ピアノの音は昔から馴染んでいたような懐かしい感じがして、とても安心できるような演奏なのです。粗さはなくて、重すぎず、軽すぎず、きわめてオーソドックスな演奏だと思います。クルト・マズア指揮ドレスデン・フィルは、やや固めの音色ですが、録音のせいもあるのでしょうが、控えめで無難なバックアップの演奏です。音楽が鳴っていることさえ忘れてしまい、そのうち、あまりの気持ちよさに聴き入ってしまう、そんなノンビリとした休日の朝に似合うような演奏だと思います。
 
インターネットで調べてみたら、現在も、HMVのサイトで、約2500円で売られていました。それにしても、このCDは安い。一枚あたり約250円です。これほどの名盤をこんな激安で販売するなんて、いったいどうなってるんでしょうか?。嬉しいような悲しいような複雑な気持ちです。
    【収録曲】
    ・ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
    ・ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 K.238
    ・ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246
    ・ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271『ジュノーム』
    ・ピアノ協奏曲第11番ヘ長調 K.413(387a)
    ・ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(385p)
    ・ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415(387b)
    ・ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
    ・ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
    ・ピアノ協奏曲第16番ニ長調 K.451
    ・ピアノ協奏曲第17番ト長調 K.453
    ・ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K.456
    ・ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
    ・ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
    ・ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
    ・ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
    ・ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.88
    ・ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
    ・ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
    ・ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537『戴冠式』
    ・ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
    ・ロンド ニ長調 K.382
    ・ロンド イ長調 K.386

 
 アンネローゼ・シュミット(p)
 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
 クルト・マズア(指揮)
 
 録音:1970-77年 ドレスデン、ルカ教会

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