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ドン・キホーテ〜パ・ド・ドゥ:下村由理恵、佐々木大     (2005.7.3)

下村由理恵と佐々木大による、「ドン・キホーテ」〜パ・ド・ドゥの映像があります。2000年11月にラスタ・トーマスのバレエリサイタルで踊られたものです。 このリサイタル、ラスタ・トーマスのの踊りを中心に、クラシックとモダンを織り交ぜたものでしが、下村由理恵は、3つの作品を踊りました。2時間ほどの中で、3つも踊るのは相当ハードだったに違いありません。3つも踊るとなると、手を抜くものもあるのでは、と思うのですが、下村由理恵は、一寸たりとも疎かにせず、全力でぶつかっています。その中のひとつが、「ドン・キホーテ」です。
この「ドン・キホーテ」のパ・ド・ドゥ、華麗なリフトや女性のバランス、2人のフェッテやピルエット、そして男性のジャンプなど、見所が一杯で、大変見応えのあるものですが、ダンサーにとっては相当過酷でしょう。でもそれだけ踊り甲斐のあるというものでしょう。 佐々木大は、かって下村由理恵を「バイオリズムも同じで、最も息の合うパートナー」と言っていたことがありますが、今回も二人の呼吸はバッチリでした。アダージョ出だしの二回のリフト、下村由理恵を高々と挙げて静止、その長いこと。下村由理恵がどんなにパートナーに負担をかけないようにジャンプしたからといっても、佐々木さんは人間一人の体重を片手で支えているのですから、相当に重いはず。少しのふらつきもなく支える力と技術はあっぱれです。
アダージョ後半の二回のアチチュードのバランス。下村由理恵、頑張りました。1回目、佐々木大の支えの手を離した直後、下村由理恵の上体がわずかに揺れ、下村由理恵は思わず険しい表情に変わりましたが、そこが彼女の凄いところ、グッと揺れを堪えて体勢をを立て直し、しっかりとバランスを保ったのです。 2回目は、「堪えるのよ。もっと、もっと」と自分に言い聞かせるように、揺れを必死に堪えて、長〜い長〜いバランスを維持したのです。観客は興奮し、大きな拍手を誘いました。 アダージョ最後、佐々木大は、再び下村由理恵を高々とリフト。そして真っ逆さまに落ちるフィッシュダイブ。バッチリ決まって、お互いかをを見合わせてにっこり。見事でした。 ただ、コーダでのグランフェッテでは、下村由理恵は、かなりきつそうに感じました。軸足がまっすぐ伸びていなくて、その為か回転もスムーズではなかった。終盤になると軸足が少しずれてしまいました。軸足のトゥの調子が良くなかったのでしょうか。でも、懸命に頑張る姿には感激です。ますます彼女が好きになりました。

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