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下村由理恵さん入賞のモスクワ国際コンクールの映像  (2004.6.4)

1981年、下村由理恵さんがまだ15才のとき、モスクワで行われた国際コンクールに出場し、最年少にも拘わらず、見事、2位に入賞しました。この時のグランプリは、アナニア・シビリ、1位はアマンダ・マッケローでした。二人とも今では世界のトップスターですが、こんな二人と互角に渡り合ったのですから、下村さんの実力、そして勝負度胸は大したものです。彼女は、自分の前に踊った地元のダンサーへの客席の声援が凄かったので、それを舞台の袖で聞いて、萎縮するどころか、返って「やってやれ!!」と燃えてしまったとか(「バレリーナのアルバム」(新書館))。

このコンクールを記録した「ホリデー・オブ・バレエ」というビデオがあります。出場者達の練習風景、本番の一部、そして授賞式が入っていますが、この中に、ほんの少しですが、下村さんが、「グラン・パ・クラシック」を練習している光景があります。高速のピルエットからのフィニッシュ、足がもつれて倒れそうになった下村さん。「なにやっているんだ!!」と怒っているような教師(川副恵射子さんでしょうか)の怖い顔・・・・。気を取り直して、真剣な表情で必死に再度難しい技に挑む下村さん。胸にジーンときます。今度は崩れることなく、うまく止まれたのに「その程度では、まだダメだ!!」と首を縦に振らない川副先生・・・・。火花が散る、息詰まるような師弟の本番直前の稽古の様子に感動です。 それにしても、コンクールで下村さんに「グラン・パ・クラシック」のような超至難な踊りを踊らせるなんて、川副恵射子さん、下村さんの人並みならぬ実力を見抜き、将来を期待していたのでしょう。

このビデオ、コンクール本番の踊りのシーンも結構入っています。マッケンローの青い鳥のヴァリエーション、ムハメドフのドン・キ・ホーテのヴァリエーション、アナニア・シビリのグランパのアダージオの一部等々。ただ、そのどれもが短すぎて、十分に鑑賞できないのが残念です。下村由理恵さんのコンクール本番の映像も入っていません。
映像はあまり鮮明ではなく、全体で45分位と短い。もしマスターテープに他の映像が残っていればですが、DVDで再発売するような機会に、せめて90分位にして、コンクールの映像をもっと増やして欲しいと思います。

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