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1965年、SONYが発売した日本最初のトランジスタプリメインアンプ、TA-1120。
回路には準コンプリメンタリー SEPP OTL回路を採用し、高域特性の良いシリコントランジスタをプリアンプからパワーアンプまで全てに使用していました。
トランジスタアンプの音が認められるようになったのはこのアンプが出たからと言われるほどです。
その後、プリメインアンプを中核としたSONYのオーディオは、ESシリーズと呼ばれて、マニアの垂涎の的でした。
ミニコンポの時代になり、大型のESシリーズは殆ど消滅しましたが、我が家には、ESシリーズ後期の TA-F333ESAが健在です。
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SONYのプリメインアンプ TA-F333ESAは、かつてソニーが販売していたMOS FET(メタルオキサイドセミコンダクターFET)を出力段に採用したプリメインアンプです。
さらに、電圧増幅段およびドライバー段にもMOS FETを採用していて、入力から出力までのオールFETアンプ構成のアンプです。
シャーシ構造は、大理石の主成分である炭酸カルシウムを不飽和ポリエステルに加え、グラスファイバーで強化し、無振動・無共振設計を徹底したGシャーシというもので、高い強度を有しながら内部損失が大きく、優れた振動減衰特性を持っています。
大出力時にも常に安定した電源供給を可能にするよう、電源部には、パワーアンプ部の入力信号を電圧増幅するAクラス段と電力増幅するBクラス段(出力段)を整流回路から分離・独立して供給するS.T.D.(Spontaneous Twin Drive)電源を搭載しています。
パワートランジスタを冷却するアルミダイキャストの櫛形ヒートシンクや、今では珍しくなった鉄製の天板等、各要所に重くかつ固い素材が使われていて、総重量は、21.3kbにも達し、持ち上げると本気で腰が悪くなりそうなくらい重いです。
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低域も高域も安定した落ち着いた音で、繊細な小さい音まで拾い上げてくれるのは、オールFETアンプ構成であるこのアンプの強みと言えるでしょうが、低音をのびのび鳴らすという点では、バイポーラトランジスタを出力段に持つアンプに一歩譲るような気がします。
でもこれは、これは、個人の好みによる所でしょう。
大編成のオーケストラより、小編成の室内楽やベースやドラムをあまり使っていないポップス等の軽音楽を聴くのに合うようです。
周波数特性 20hz〜20khz(PHONO) 2hz〜200khz(LINE) 消費電力 260W 大きさ 470(幅) * 165(高さ) * 435(奥行き) 重量 21.3kg |
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