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白鳥の湖:ラウフェル、ボゴフ、マリボール歌劇場    (2007.10.14)

CSシアターTVで、マリボール歌劇場の「白鳥の湖」を見ました。スロヴェニア国立マリボール歌劇場の「白鳥の湖」は、かつてキエフ・バレエの芸術監督として来日したリトヴィノフの演出。 オデット / オディールはアレンカ・リビッチ・ラウフェル、ジークフリート王子はアントン・ボゴフ。「眠りの森の美女」でも、この二人が主役でしたから、多分、このバレエ団のプリマなのでしょう。
オデット・オディールのラウフェルは、美しいダンサーですが、「眠りの森の美女」のオーロラ姫でもそうでしたが、やや大人びた感じで、私の抱いているオデットのイメージとは異なっています。白鳥の女王とは言い難く、生身の人間という感じをぬぐえなかった。淡々と踊っているという感じで、情感に乏しく、かつ、ところどころでぎこちなく思えました。 王子役のアントン・ボゴフとの息も今ひとつ。オディールの方が踊りに熱が入っているようで良かったのですが、こちらも心許なさを感じました。 無理にダブルを入れたフェッテ・アントゥールナンは今にも乱れそうでハラハラしましたし、フィニッシュではビタリと止まれず、勢い余ってズルズルとずれていく足元を必死に堪えるという感じでした。 全く余裕がないという感じで、終始にこりともしない険しい表情でした。それでも観客は暖かく大きな拍手をおくっていました。懸命に至難な役に取り組んでいる健気なダンサーに感動したのでしょう。
そんなわけで、先の「眠りの森の美女」でも感じたように、このバレエ団、ダンサーは技術的には、まだまだこれからという感じがしました。舞台も発表会と言わないまでも公演というには?・・・という感じたのが正直な気持ちです。 でも出演者の一人一人が一生懸命に踊っている気持ちはひしひしと伝わってきて、見終わったとき、さわやかさな気分になりました。 ロシアのボリショイ、マリインスキーなどから比べると、まだまだ・・・と感じたものの、今後が楽しみなバレエ団です。

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