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白鳥の湖~アダージョ:ナレ・ハン、キム・キワン  (2014.6.14)

とても素敵な白鳥の湖~アダージョを見ました。You tubeに投稿されていた映像です。 踊っているのは韓国国立バレエのナレ・ハン(한나래Na-rae Han) と、キム・キワン(김기완Ki-wan Kim)によるものです。 サポートのキム・キワンはソリストですが、ナレ・ハンはまだ駆け出しのコールドバレエの一員。異例の抜擢に応えて、その踊りは期待にたがわぬ美しいもので、うっとりとして目を離せませんでした。

ナレ・ハンは、ほっそりとしたシルエットがとても美しく、痩せすぎ?と思うくらいスリムなせいか、少し弱々しく感じるところもありますが、 かといってギスギスした感じではなく、とてもしなやかで、優しい雰囲気で、気品に溢れ、可憐で知的な優しさ、清楚なたたずまいといった、 クラシックのバレリーナの資質を完璧に備えた魅惑の舞姫という感じで、オデット姫にはぴったりの雰囲気です。 舞台に出てきたときからふんわりした空気が漂っていました。 このグラン・アダージョは、丁寧にで、正確に、じっくり踊り込んでいるという感じで、本当に素敵でした。 出だし、緊張のためか、表情が少し固い気がしましたが、憂いを感じるような表情は何とも魅力的。 技術は正確で安定しているだけでなく、しっとりとした踊りには優しさが感じられます。 最後のアラベスク・パンシェ。180度を超えるまで足を挙げて、観客のブラボーの叫びと拍手に溢れました。 脚を無理に挙げたというようではなく、とても自然なのです。 ここまで挙げると、品がなく感じるダンサーも居ますが、全くそれがなく、本当に爽やかで美しいのです。 体の柔らかさは、日頃の精進の賜物でしょうが、この爽やかな雰囲気は、彼女に生来備わっている気品の良さのせいでもあるのでしょう。 気品と優雅さの中のほのかな色気・・・がオデットの魅力と思うのですが、Na-rae Han、気品と優雅さについては申し分ありません。 それに力強さも兼ね備えて素敵です。 さらに、思わずゾクッとするような色気も備わったら・・・と思うのは贅沢でしょうか。

終盤には、背中には、かすかに汗が滲み、踊り終えた瞬間、緊張が解けてホッとした表情がなんとも美しかった。 踊り方に真面目な人柄がでていて、丁寧に、精一杯踊る姿に惹かれます。 相手役のKi-wan Kimは、経験豊富なのかサポートがとても上手で、Na-rae Hanの動きを良く見て、しっかりとホールドしていました。 ウェストをデリケートに支えてバランスを助け、Na-rae Hanも安心して身を任せているという感じで、微笑ましさ溢れるグラン・アダージョでした。 勧告国立バレエのサイトを見る限りでは、コールドバレエの一員というだけで、Na-rae Hanの年齢も経歴もわかりませんが、 この素敵な映像を見ると、将来のプリマの片鱗を感じます。これからの彼女の成長が楽しみです。

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