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燃料電池車(FCV)トヨタ「ミライ」は、水素と空気中の酸素の化学反応で作った電気と、減速回生によってバッテリーに蓄積した電気を使って走行する自動車です。
いわば「ガソリンで回るエンジン部分を、水素と酸素からできた電気で回るモーターに置き換えたハイブリッド車」です。
つまり、回生ブレーキシステムをはじめ燃料電池以外の仕組みは、ハイブリッド車「プリウス」のノウハウそのものです。
ハイブリッド車「プリウス」を20型・30型と乗り継いで来ていることから、水素と酸素で作った電気で走る「ミライ」に興味を感じ、試乗会に参加しました。
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「ミライ」の仕様を見て、トヨタは偉いと思ったのが、駆動用バッテリーがニッケル水素電池であること。
可燃性の高い水素を使う車だからこそ、発火のリスクがあるリチウムイオン電池の採用を見送ったのでしょう。
これまで多くのハイブリッド車を手がけて培ったトヨタ安全性へのこだわりを感じます。
運転席に座ってみると、プリウスに比べるとかなり広く、プリウス30型のプラスティックむき出しの安っぽい内装とは明らかに違う。
豪華過ぎず、適度な地味な落ち着いた感じで、とても品がいい。
スタートボタンの形状、インパネの表示や主要なボタンの配置などはプリウスとよく似ていて扱いやすいけれど、モニターディスプレイが2個もあり、
その一つがセンターコンソールに付いているのは疑問。
私は運転中に目をあちこち動かすのは危険だと思っているので、ディスプレイは一つで、それに全ての情報を表示できるようになっている方が良いと思う。
最も気になったのは、後部座席中央にコンソールがあり中央に人が座れないこと。4人乗りなのです。
しかも後部座席の足元はプリウスより狭い。後席に座ったとき足の指先を伸ばせないので、長時間ドライブでは疲れるでしょう。
前席の真下にFCスタックが置かれていて座席の床が盛り上がっているからですが、クラウン並みの大型セダンなのに、プリウスより狭いのは問題です。
FCスタックを頑丈にして安全性向上を目指した結果とは言え、改善すべきでしょう。
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スタートボタンを押して、シフトポジションをDに入れ、フットブレーキをリリースして発進。 約30分、街中の試乗コースを一回りして戻ってきました。 高速道は走っていないので分からないけれど、一般道の走行では、乗り慣れたプリウスよりも遥かに静かで、振動も少ないように思いました。 ただ、アクセルを踏み込んだときの加速は、プリウスのECOモードに近く、何となくもっさりと重い感じでした。 車体の重さを跳ね返すのに、モーターの力がもう少しあったほうが良いように思いました。 |
ミライの水素充填時間3分で走行距離約650kmは、電池切れが心配な電気自動車(EV)より明らかに優位な点でしょう。 燃料である水素の供給施設がガソリンスタンド並みに増えれば、環境に優しいこの車は、自動車の主流になることは間違いない。 ただ、今すぐに買うかと言われると、???。プリウス20型に試乗した時のような「すぐにも買いたい」という気分にならなかったのです。 一番気になったのは乗車定員が4名のこと。 5ナンバーのセダンでも5人乗りが常識で、4人乗りでは軽自動車と同じです。FCスタックの小型化や配置換えなどで、5人乗りを実現して欲しい。 第二に車体の大きさ。私はプリウス20型が丁度良く30型でも大きすぎる気がしていて、大きな車は必要ない。 第三に購入価格。ミライの値段は約800万円で、神奈川県の補助金と国の補助金を差し引いても、実質的な負担は約600万円とのこと。 プリウスの倍以上で、私のような一般市民には高嶺の花です。 |
皮肉なことに、今回「ミライ」を試乗したことで、改めて乗り慣れた「プリウス」の良さを見直した結果となってしまいました。
とは言え、燃料電池車「ミライ」という空気を汚さない究極のエコカーにかけるトヨタの意気込みを感じ、プリウス20型を試乗した時にも感じたトヨタの本気度も確信できたので、
5人乗りになり、プリウス並みの大きさになり、価格がプリウス並になったら、燃料電池車を買うことを考えてもいいかなと、思いました。
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