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ヴァイオリンの為の協奏曲のモーツァルトの処女作     (2004.12.1)
 二つのバイオリンの為のコンチェルトーネ・ハ長調K.190
「コンチェルトーネ」という珍しい曲名ですが、「大きい協奏曲」という意味のイタリア語だそうですが、「協奏交響曲」とは別に、 協奏曲と交響曲の中間的なジャンルで、北イタリアからオーストリアにかけての地域で愛好されていたということです。

この曲は、モーツァルトの代表的な5曲のヴァイオリン協奏曲以前の作品で、ヴァイオリンの為の協奏曲としての処女作で、モーツァルト18歳の作品です。 でも、この曲はヴァイオリンの独奏は二人で、それにチェロやオーボエが独奏で加わるところもあるユニークなものです。
以後作られた、ヴァイオリンとビオラのための協奏交響曲K.346を思わせるところがありますが、むしろもっとくつろいだ雰囲気の楽しい曲です。 特に第一楽章は、二つのバイオリンが絡み合うところにオーボエが加わってとても華やかです。 また第1・第2楽章にはモーツァルト自身によるカデンツァがあります。 私はこの曲のCDは二種類持っています。一つは、ヘンリク・シェリング、ジェラルド・ポーレのヴァイオリン、アレクサンダー・ギブソン指揮によるニュー・フィルハーモニア管弦楽団のもの、 もう一つは、ヨゼフ・スークのヴァイオリン、フルチェックのヴァイオリンと指揮によるヴィルトージ・ディ・プラハの演奏です。 特に後者は、モーツァルトが愛した東欧・チェコのトップアーティストによる見事な演奏です。


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