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上原彩子さんのチャイコフスキーコンクール・ライブ   (2003.8.30)

2002年6月に開催されたチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で優勝を果たした上原彩子さん。ピアノ部門で女性が優勝したのは上原さんが初めて、また日本人の1位受賞もはじめての快挙。コンクールでの、上原さんの演奏を収録した映像を、BSディジタル放送のBSジャパンが放送してくれました。
 
私は、ライブ録音や録画が好きです。ライブは、客席等からの雑音が多く、ビデオやCDの為の録画や録音に比べ、見づらかったり聴きづらかったりするところもあるのですが、やり直しの利かない演奏会とあって、必死な演奏者の気持ちが伝わってきて、迫力があり、感動を呼ぶことが多いのです。この、チャイコフスキーコンクールのライブもそうでした。
この放送では、上原さんが予選で演奏した、バッハの平均律クラヴィア曲集第2巻第20番ニ短調、本選での、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲作品43」とチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23」を聴くことができました。
 
このコンクールでは、長らくピアノ部門は男性優位と言われてきたそうです。しかし、そのジンクスを破り、会場中の鳴り止まない拍手を誘ったのが、今回の上原さんの演奏でした。コンクール本選での曲目は、どちらも超高難度といわれているもの。でも、彼女の演奏は、演奏終了後、審査員長のクライネフ氏をして「彼女のような人をずっと待っていた。彼女はピアニストではなく、最高の音楽家だ」と言わしめたほどの素晴らしい演奏でした。
 
「60歳や70歳になっても、ピアノを弾き続けていられるようなピアニストになりたい。いつも前向きにチャレンジすることを忘れないようにしたい」という上原さんの、謙虚で前向きな言葉が、心地よく、しかも、力強く響き、この番組は終わりました。
 
ところで、この放送、高画質・高音質のBSディジタル放送ならではのクオリティの高い素敵な番組でしたが、時間の関係でチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番の第2楽章がカットされていました。
是非、このコンクールで上原さんが演奏した曲を全て収録したDVDが発売されることを望んでいます。


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