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ワガノワ・バレエアカデミーの少女たち   (2003.4.23改)
(卒業公演の主役をめぐる競争、ギリギリの美しさを追究するダイエット)

 
BS2の地球に好奇心〜「妖精達の熱き戦い」:「プリマバレリーナめざして 〜ロシア・ワガノワアカデミーの少女たち」は、 二年ほど前に放映された番組ですが、先日NHK-BSUで再放送され、驚きを新たにしました。
 
凄まじいまでの熾烈な競争。プリマになるにはこれまでしなければならないのかと、想像を絶するものがありました。
 
卒業公演の主役をめぐっての熾烈な戦い。
究極の美しさを追求するためのギリギリのダイエット。
華奢で折れてしまいそうなバレリーナに課せられる徹底した減量で、ふらふらになりながらも必死に頑張って技に挑むバレリーナ。
華やかな舞台の裏の過酷なまでの現実を見ました。
 
ワガノワバレエアカデミーはロシアの名門。毎年2000名もの受験者のうち、入学できるのは60名程度。 入学してからも振るいにかけられ、一人前になれるのは、極わずか。この番組は、競争を勝ち抜いてきた、二人のバレエ学校の卒業生の競争という形でストーリが進行します。
二人は、エカテリナ・ボルチェンコ、イリーナ・ピサレンコ。どちらも背が高く、スラッとしていて、いかにも華やかなバレリーナといった感じのお嬢さん。こんなにスリムでも、更に2キロ以上の減量が必要なのです。
エカテリナは、減量には相当苦しんでいる様子。水も喉に通らないようでした。でも、踊りについては卒業試験対策は順調。
もう一人のイリーナは、減量にも失敗しただけでなく、新調したトウ・シューズが合わず、左足を痛めてしまいます。痛くて歩くのもやっとという始末。
そんななかで迎えた卒業発表会。エカテリナはジゼル、イリーナはグラン・パ・クラシックを、二人とも頑張って無事に踊りきりました。
特にイリーナは、最後の32回のグラン・フェッテ・アントゥールナンを痛めた左足をかばいながらの出演。トウで立つ軸の左足の負担は大変なもの、痛みは相当だったのでしょう、直前の幕間でマッサージを受けて、やっと立ち上がります。でも笑顔を一杯にふりまいて難しいフェッテを踊りきりました。踊り終わった時には、見ている方も涙が出てしまいました。
厳しいレッスンと苦しい減量を切り抜けて、やっとつかんだ二人の幸運、本当に美しいものを見ました。
 
ともあれ、ロシアのバレエが世界に君臨できる源は、こんなところにあるのかとつくづく感じた次第です。
NHKさんがこのような番組を放送してくれたのには、大きな拍手を送りたいと思います。
でも、NHKさんは、外国だけでなく、もっと、日本のダンサーの活躍や日本のバレエ団やバレエスクールを紹介してくれると、なお嬉しく思います。
日本のバレエも世界に勝るとも劣らない実力をもっています。また、このロシアのバレエ学校と同様、日本の少女達もプリマを目指して必死に頑張っています。NHKをはじめ日本のテレビ局が、こんな日本のバレエを、もっと電波に乗せてくれることを期待します。

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