ロイヤル・バレエのゼナイダ・ヤノフスキー、フェデリコ・ボネッリが踊った、「シルヴィア」のパ・ド・ドゥの映像があります。2005年9月にパリ・シャンゼリゼ劇場での「21世紀のエトワールたち」というガラ・パフォーマンスで踊られたものです。
フレデリック・アシュトン振付によるロイヤルバレエ版のシルヴィアからのパ・ド・ドゥで、アシュトンらしく、優雅で美しい踊りでした。
出だし、ボネッリの肩に担がれて登場するヤフスキーは、かなり緊張していたのでしょう。表情がこわばっていました。踊り進むにつれ表情がやや穏やかになっていきましたが、アダージョ最後まで緊張がぬぐえないという感じでしたが、懸命に踊る姿に魅了されました。足がとてもきれいで、バランスのポーズも美しく見栄えがしました。
バリエーションのピチカートも綺麗でしたが、コーダでグランフェッテを抜いてしまったのは残念、果敢に挑戦して欲しかった。
こんなヤフスキーを優しくサポートするボネッリは、テクニックを、ひけらかすのではなく、さりげなく素晴らしいテクニックを見せてくれました。
出演前のダンサーの姿をモノクロで映し、そのまま舞台へ出ていって踊る姿はカラーで紹介・・・というもので、出を待つダンサー達の緊張した様子が映し出されて、ドキュメンタリーのような感じのところがあり、
ダンサーを真上から映すなど、カメラワークも凝っていますが、身体の部分的なアップが多すぎ、バレエの映像としては、どうかなと思いました。バレエは芸術で、体全体の動きから、美しいハーモニーが醸し出されるものですから、部分的なアップではなく、ちゃんと全身の動きを写して欲しいと感じました。
ともあれ、ドリーブの音楽の美しさに、アシュトンマジックともいうべき優雅な振付が融合した、美しいパドドゥでした。
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