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「誰でもピカソ」の康村和恵さん         (2005.6.5)

バレリーナの康村和恵さんが、北野武の「誰でもピカソ」に出演しました。この日は、「美の秘訣とは、今舞台で輝く女神達」という副題で、ミュージカル女優のシルビア・グラブさんとの共演でした。バレエとミュージカルという分野の違う実力派二人のコラボレーションが見られるのもテレビならではでしょう。 
冒頭は、「ドン・キホーテのヴァリエーション」。満面の笑顔で踊りはいとも軽やか。でも踊り終わった時、司会の武が「しんどいでしょう」と尋ねると、息を切らして「ハードです」と思わず本音がでました。
「落選娘が世界へ」という副題が付いているように、康村和恵さんのプリマへの道は、決して平坦ではなかったようです。子供の頃は「上がり症」でレッスンではうまくできてもコンクールの本番はいつも失敗。その後一大決心をして、15歳でボリショイバレエ学校に留学、19995年、スイス・ローザンヌ国際バレエコンクール・スカラシップ賞受賞、そして96年、ドレスデンバレエ団入団。たまたま、怪我をしたプリマの代役として主役を踊ったのがきっかけで、2001年、同バレエ団でファースト・ソリストに昇格。そして、2003年、熊川哲也の主催するK-BALLETへ。
この番組では、先の「ドンキホーテのソロ」と、シルビア・グラブさんとの共演で「蘇州夜曲」を踊りましたが、体がとてもやわらかく、しなやかでした。小柄にもかかわらず、手足が長く、体のバランスがとれているから、背が高く見えるのでしょう。
終盤近くの「蘇州夜曲」は、シルビアさんが蘇州夜曲を歌って、それに合わせて、熊川哲也振付で康村さんが踊るというもの。黄色いチャイナ服姿で歌うシルビアさんに、グレーの中国服のような衣装で踊る康村さん、二人の歌と踊りがとてもよく調和がとれて見事でした。曲の最後で、康村さんが、近づいてきて、頭をかしげて、シルビアさんの肩にもたれて・・・、その可愛らしいこと。歌う者と踊る者が、ここで一体化しするという、おもしろい振り付けだと思いました。ただ、コンテンポラリーではなく、クラシックに近い振付なので、トゥシューズでなかったのは残念。トゥで踊ったら、一層、康村さんさんの、繊細さ、可愛らしさが際立ったに違いありません。
子供の頃、上がり症で失敗したという彼女、今でも緊張すると言っていましたが、舞台で緊張するからこそ、新鮮さが持続できるのでしょう。くるぶしを骨折しても最後まで踊り続けたという強い精神力の持ち主、一層の活躍が楽しみです。

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