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ドンキホーテ~パドドゥ:パク・イェウン、キム・ユンシク  (2014.7.10)

とても素敵なドン・キホーテ~パ・ド・ドゥを見ました。You tubeに投稿されていた映像です。 踊っているのは韓国国立バレエのパク・イェウン(박예은Ye-eun Park)と、 キムユンシク(김윤식Kim Youn-sik)によるものです。 キムユンシクはソリストですがパク・イェウンはまだコールドバレエの一員です。 コールドバレエなのにパ・ド・ドゥに抜擢されたのは凄い。 この為かパク・イェウンは少し緊張していたようで、時折険しい表情をみせましたが、むしろこの真剣な表情が何とも魅力的。 キム・ユンシクの暖かいサポートによって、破綻なく踊り抜いたのは立派でした。

のりが良く、どちらかというとアクロバティチック的な要素の強いドン・キホーテ~パ・ド・ドゥですが、 パク・イェウンの踊りは、しっとりとしながら、しかも決めるところはしっかり決めて、爽やかな踊り。 パートナーのパク・イェウンは、パク・イェウンの動きを良く見て、しっかりサポートしています。 パク・イェウンは、ほっそりとした体に長い手足。プロポーション抜群で、クラシック・チュチュがとても良く似合う。 見え隠れする太腿はふっくらとしてほのかな色気が漂う。加えて、繊細で上品な身のこなし、誠実さがにじみ出ているような端正な踊り。 まだコールドバレエなのに、とても魅力的なバレリーナです。
 
アダージョ終盤の二度のアチチュードのバランス、一際表情が険しくなりました。 一度目は、あまり持ちこたえられず、パートナーの手を離した後すぐに脚を降ろしてしまったのは残念だったけれど、 二度目は、グッと堪えて必死に持ちこたえ、ハッと息を呑む美しさでした。 最後のリフトからのフィシュダイブ。二人の息がぴったりで、バッチリ決まり観客の拍手を誘いました。 手の指先と爪先まで神経の行き届き、大きく弓なりになった体のラインが美しかった。
 
パク・イェウン、コーダのグラン・フェッテ・アントゥールナンの前半は果敢にトリプルとダブル回転に挑戦。 体が左右に大きく揺れ、次第に爪先もズレてきて、とても辛そうだったけれど、歯を食いしばってよく頑張った。 終盤、つま先が大きくずれて、26回ほどで終わったしまったけれど、観客の手拍子に励まされて、懸命に回る姿に感動。 尤も、トリプルとダブルを加えれば、32回転を越えています。 回り終えて、「うまく出来た!!《と、思わずこぼれた微笑みが魅力的。ベテランのダンサーでも失敗することのあるグラン・フェッテ・アントゥールナン、 無事に終えて、さぞホッとしたのでしょう。 終盤のシェネ、最後の力を振り絞って、高速回転で少しも乱れずに、スムーズに移動。大いに盛り上がりました。 ラストは、パートナーに腰を支えてもらっての、高速のピルエット。 バッチリ決めてフィニッシュ。胸が大きく波打って、ハアハアという吐息が聞こえるよう。 力を振り絞って踊りきったパクイェウン、終始柔和な笑顔を崩さなかったのは偉いし、全く汗をかかなかったのも立派でした。
 

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