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ドンキホーテ〜パ・ド・ドゥ:吉田都、熊川哲也    (2004.8.22)

吉田都さんと熊川哲也による、ドンキホーテのパ・ド・ドゥのビデオ映像があります。1984年頃のローザンヌ・バレエコンクールのメダリスト達による「ローザンヌガラコンサート」での踊りです。吉田都さんは、当時は、バーミンガム・ロイヤルバレエ(当時はサドラーズウェルズバレエ)で踊っていましたが、その後、コヴェントガーデンのロイヤル・バレエに移り、29歳にして、最高位のプリンシパルに昇格、現在もプリンシパルを務めています。最近の吉田都さんは、軽やかな動きの中にも、派手な動きはまるでなく、「品格」のようなものが感じられ、「世界の頂点を極めている日本人女性!」「さすがロイヤルのプリンシパル!」という言葉が相応しいのですが、この映像での彼女は、やはり、まだ「若い」のでしょう。テクニックは狂いなく完璧、それだけでも息を呑むばかりですが、やや技術力を誇示しているようなところが鼻につかないではありません。逆に、「若さ」あふれる、彼女の踊りを見ることができるのも、この映像の楽しみの一つでもあると思います。
 
この映像での吉田都さんは、キビキビとした動きの機敏さは観ていてとても気持ち良く、「ドンキホーテ」の、お転婆なキトリを演じるにはキャラクターがぴったりといった感じで、熊川哲也相手に、コミカルで華麗なアダージョを見せてくれます。足先にまで神経が行き届いたジャンプや、高いリフトは見ごたえ充分v。バランスも乱れません。コーダでの32回のグランフェッテも、超高速でキメています。途中から興奮した観客の拍手を誘っています。
相手役の熊川哲也は、高いジャンプで舞台栄えのするダンサーですが、この映像では、ソロは良く踊っていますが、アダージョでのサポート役としては、なんとなくしっくりいかないのが気になります。
 
ともあれ二人ともフレッシュで、ステップはとても軽やか。今をときめく二人のダンサーの、駆け出しの頃の踊りを見れるこの映像、貴重なコレクションの一つです。

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