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森下洋子さんの「ずっと輝いていたい」 (2001.6.3)
NHK総合テレビの「人間ドキュメント・ずっと輝いていたい〜バレリーナ森下洋子」には、感動しました。
この時間(5月31日21時)、私は残業で帰宅は深夜だったのですが、妻がビデオに撮っておいてくれたので、後でゆっくり観ることができました。
妻が最初に言った言葉、「凄い人。自分と同じ年齢とは思えない」。バレエダンサーのほとんどが体力の衰えを理由に40歳までに引退するなか、3時間に及ぶバレエの大作を50歳を超えた今も現役として踊り続けているのは、世界でも森下さんだけだそうです。
妻と私は、この番組の中でも取り上げられていた「ロミオとジュリエット」の公演を、5月の連休中に観てきました。妻はこの時初めて森下さんの生の舞台を観たのですが、このステージを思い浮かべながらこの番組をみて、なおさら感激したのだと思います。
それにしても、彼女のバレエへの取り組み方は凄い。
5日間連続の連休中の公演。バレエ団は3人もの代役も準備していたそうですが、洋子さんは全て踊りきったとのこと。
「観に来てくれるお客様に申し訳無い・・・」と日々レッスンに励み舞台に命をかける・・・凄まじいばかりのプロ根性ですね。
でも、やはり50歳を超えた年齢は、バレエという肉体的にも精神的にも過酷な職業には、相当辛いものがあるのでしょう。楽屋にベットを持ち込み、わずかな時間でも横になって休む・・・・・。ほんとうに極限状態で、一幕終わった後には歩けないくらい衰弱しているのに次の幕にはそれが嘘であったかのように踊ってしまう。
本来なら、森下さんは舞台裏の姿をあそこまで見せたくはなかったのではないでしょうか。でもそれを、あえて見せて下さいました。
実際それは、感激を通り越してかなり衝撃的でした。
彼女の踊りを見て、マーゴ・フォンティーンを思い出しました。
私が生のフォンティーンを見たのは1970年代の初め、東京バレエ団の「眠りの森の美女」のオーロラ姫でした。彼女がが小走りに階段を下りてきたところから、舞台に釘付けになってしまいました。 フォンティーンのオーロラ姫は、初々しくて、可愛らしくて、その時既に50歳を越えていたなんて、とても信じられませんでした。きっとフォンティーンも、この時、森下さんと同様の努力をしていたに違い有りません。
「若いことは素晴らしい。歳をとっても出きることはある」、芸を極めた森下さんの言葉には重みがあります。
踊り以外のことはすべてそぎ落とした生活、とナレーションにありましたが、本当に鳥肌が立つような凄まじさで、胸が熱くなるような素敵な番組でした。
さすがNHKさん!!。これからも、このような優れた番組をたくさん作って下さることを期待しています。
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