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没後200年のユニークなアルバム「モーツァルト座右宝」  (2018.1.31)

1991年はモーツァルト没後200年ということで、多くのレコードや出版物が出ましたが、その中で「モーツァルト座右宝」はユニークな企画でした。 映像付きでモーツァルトのほとんどのジャンルを一通り聴けるというものです。
レーザーディスク6枚組で33,000円でしたが、内容の充実度からいったら、決して高くはないと思いました。 交響曲から歌劇のアリアまで、多彩な23曲が収録されています。

「音楽を聴くのに何も映像がついていなくても良いではないか」という人がいるかもしれませんが、映像が付いていると、音声だけのレコードにはない別の楽しみがあります。
私のように、なかなか生の演奏会へ行く機会のないものにとっては、家に居ながらにして好きな時間にヨーロッパのモーツァルトの演奏会を見ることができまるのは大変ありがたいことです。

これもホームビデオやレーザーディスクなどの映像機器が普及したからにほかなりませんが、「モーツァルト座右宝」のような企画が成りたつのは、それに加えて、それだけモーツァルトファンが増えたことも一つの要因でしょう。
モーツァルトの生誕200年は1956年でしたが、この時には「モーツァルト座右宝」のような企画は決して考えられなかったと思います。
家庭用のVTRがまだ実用化されておらず、映像はフィルムしかなかったという環境であったものの、仮に「モーツァルト座右宝」のような映像化という企画を試みたとしても、今のようにモーツァルトファンがたくさん居なかった状況では、とてもそれに見合う採算は期待できなかったでしょう。
それから35年後、「モーツァルト座右宝」のような映像によるモーツァルト音楽集の出版が可能になるほどモーツァルトの愛好家が増えたのです。
「モーツァルト座右宝」に収録されている曲目は次の通りです。
  ○歌劇「イドメネオ」K.366〜序曲とアリア「父よ、兄よ、さようなら」
  ○グラスハーモニカ,フルート,オーボエ,ヴィオラ,チェロのための
    アダージョとロンドK.617〜ロンド
  ○交響曲第38盤ニ長調k.504「プラハ」
  ○ミサ曲ハ短調K.427「グレイト」〜グローリア
  ○ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
  ○ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216〜第2楽章
  ○ピアノ協奏曲第9番編ホ長調K.271「ジュノム」〜第1楽章
  ○フルート協奏曲第2番ニ長調K.314〜第3楽章
  ○フルート協奏曲第1番ト長調K.313〜第1楽章
  ○ピアノ協奏曲第21番は長調K.467〜第2楽章
  ○クラリネット協奏曲イ長調K.622〜第1楽章
  ○ファゴット協奏曲変ロ長調K.191〜第1楽章
  ○オーボエ協奏曲ハ長調k.314〜第3楽章
  ○ピアノ協奏曲第26番K.537「戴冠式」
  ○ディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287〜第4楽章
  ○弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421〜第1楽章
  ○オーボエ四重奏曲へ長調K.370〜第1楽章
  ○フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285〜第2楽章
  ○弦楽四重奏曲第21番ニ長調K.575「プロシア王第1番」〜第1楽章
  ○ピアノソナタ第12番イ長調K.332〜第1楽章
  ○ピアノソナタ第11番イ長調k.331〜第3楽章「トルコ行進曲」
  ○ピアノソナタ第14番は短調K.547〜第1楽章

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