海の景色で人気があるメロビッツの代表作のひとつの写真集です。
メロビッツの海の写真は、私に、遠い記憶を呼び起こす作用をおこします。
私は、子供時代、瀬戸内海沿岸(瀬戸内の島)で、育ちました。海の記憶・生活は、私の、奥深い一部なのです。
また、ケ−プ・コッドの湾での生活、そんな生活は、私に限りないあこがれを呼び起こします。
こんな生活がしたい・・・。
独身時代、海のきれいな海岸で、夏に10日くらいの休みを取り、キャンプをしながら、毎日、採った魚とサザエ・アワビとビ−ルで、夕飯をくっていました。太陽の照る炎天下、岩礁で休みながら、海の深い色と岩礁と波しぶきと日差しをあびていると、生きていることの実感でくらくらしてきました。
穏やかな海と人々と安らぎと夏の日々と・・・それらが、つまっている本です。
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メロビッツは、アメリカで80年代のNEW COLORで台頭してきた人の重要な作家だと記憶してるんですけど、
そのヒュ−マンな色合いは、他の都会を写したNEW COLORの人々と異なっている肌合いを持っているように感じます。
都会を写している人の色は派手だけど、それゆえ、乾燥していたり、荒れていたり、なにか、心寒い気がしたりするのと、対照的です。
また、自然だけれど、ミゼラックの砂漠を写した写真も、ありましたね・・・。
それは作者の人間性でしょうか、それとも対象によるのでしょうか・・。
メロビッツもN・YかL・Aの街を写した写真集はあります。その中でも、ヒュ−マンな色合いを、私は感じてしまうのですが・・。
ちなみ、使っているカメラは、木枠かなんかの、だいぶ古い大型カメラのようですね。
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写真集は一般的には、再販のない世界です。再販を刷るほど、売れないのが当たり前だからです。
作るのも高価で、写真製版で技術的にも難しく、売れる部数も限られている、ハイ・リスキ−な出版物、それが写真集です。
だから、世の中、自費出版の写真集が多いのですが・・・。
こうした中で、数少ない商売になる写真家・写真集では、ないでしょうか、メロビッツは・・・。
彼の写真集は、よく再販されていますし、最近は,A SUMMERS DAYなど、日本語版にもなってます。(リブロ)
最新作のBAY/SKYなどは、洋書出版とかわらない時期に、日本語版がでました。
概して、洋書の日本語版は、写真集の全体の香気・雰囲気が損なわれることが、多いのですが、
(これは、日本語版の編集者の写真的教養のせいでしょうか?)
BAY/SKYは、よくできてました。洋書と比べても、特に気になることもなく、日本語版を買いました。
写真集の質が同じなら、概して、日本語版の方が安く、しかも、解説が、日本語になっているので、お買い得です。
その他 Joel Meyerowitzの本
・Wild Flowers,ワイルド フラワーズ,NYGS,1983,16。95ドル(3450円),S63 ,町の中野花その他 ・A SUMMERS DAY,サマーズ デイ,TIMES BOOKS,1987 5,17・95ドル, ケープ湾の夏・自然・人夕暮れ(日本語版あり;リブロ?) ・ARCH(ア−チ) メロビッツとしては、珍しい都会のア−チばっかり撮った写真。 ・RED HEAR 赤毛の人ばっかり写した写真。彼のポ−トレ−トが堪能できる?!。 ・BAY/SKY TREVILLE(リブロポ−ト) ’95年出版、最近の写真、海のうつろいを静かに写し取っている。 (メロビッツもいよいよ老境にさしかかっているのだろうかと、感じた私です。洋書もあり) ・AT THE WATER'S EDGE (ミニ本) BLUFINCH (海の写真を、集めたもの、CAPE LIGHT・A SUMMERS DAYからBAY/SKYの写真まで入っている)