パーキンソン病
 特定疾患治療研究対象疾患の一つ。中脳の異質や大脳基底核等の病変による振戦麻痔で、原因不明の進行性疾患である。手足の震えと動作の緩慢、加速歩行、前傾姿勢、仮面様顔貌を特徴とする。

徘徊
 あてもなく、目的もなくさまよい歩くこと。青少年期の逃避の形として起こるもの、記憶喪失の状態、痴呆疾患等でみられる。   

売春防止法(昭和31年法律118号)
 売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照らして売春を行うおそれのある女子(要保護女子)に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによって、売春の防止を図ることを目的とする法律。売春の禁止、刑事処分、補導処分、保護更生等について定めている。

配食サービス
 給食サービスの一種で、高齢者等に弁当を宅配するサービス。1か月に1回の配食による安否確認等を目的としたものから、365日3食提供するタイプまで幅広い形で行われている。介護保険の給付対象サービスには含まれていないが、生活支援サービスとして、食材費等は自己負担するとしても必要に応じてサービス提供できるよう、ますます展開される必要がある。

排泄
 生物が、物質代謝の結果生じた不用物を体外に放出すること。狭義には、大小便のみを指す。排泄は生命維持にとって極めて重要なものであるが、生活や精神的影響を受けやすい生理機能である。特に高齢者は、機能低下による排泄障害を起こしやすいので、その回数や性状は健康の指標として重要となる。また、排泄の世話を他人にゆだねざるを得なくなることは自尊心を傷つけるおそれがあり、介護者は細心の注意を払う必要がある。

排尿障害
 一般には、尿意を感じても尿を容易に出せない状態をいう。膀胱括約筋に異常のある場合と前立腺肥大等の尿路通過障害のある場合に認められる。広義には尿量の異常、尿回数の異常、排尿状態の異常、尿線の異常等が含まれる。

排便障害
 便秘、下痢、便失禁を指す。便秘は、便が大腸内に長時間停滞し、排便が困難な状態。毎日あったとしても少量で硬く乾燥している場合をいう。下痢は、腸内のものがほとんど消化・吸収されず液体状のまま体外に出てしまう状態である。高齢者は脱水症や栄養不良を招き全身状態に影響を及ぼす。便失禁は不随意に便が出てしまう状態である。

廃用性萎縮
 寝たきりやけがによるギプス固定等で、筋の活動が長期にわたり行われないことによって起こる筋の縮小。寝たきり状態の固定化につながるため、マッサージ等で防止する。

廃用性機能低下
 ある器官を使わないことが原因で、その器官のもつ機能が障害されること。長期間の臥床によって筋肉が衰え、起立や歩行ができなくなること等を指す。

白杖
 視覚障害者の歩行補助具。障害者に情報を伝えることで、防御の手段ともなり、また、視覚障害者であることを伝達する等の機能がある。グリップ、シャフト、チップから構成され、2歩先にチップがくるよう、速度・歩幅から長さを合わせる。折畳み式、スライド式、直杖等の種類がある。

白内障
 眼の水晶体の混濁によって透明性が失われること。先天性のものと後天性のものがある。先天性には、母親の妊娠初期の疾患によるもの、原因不明のものがある。後天性には、外傷性白内障、糖尿病性白内障、併発白内障(緑内障等ほかの眼疾患に併発する)等のほか、老化に伴う老人白内障がある。老人白内障は手術の予後も良いが、糖尿病性白内障や併発白内障等は手術の予後はあまり良くない。

長谷川式簡易知能評価スケール[HDS-R]
 主として高齢者の知能のスクリーニングを目的としたスケールで、従来の「簡易知的機能評価スケール(長谷川式)」を平成3年に改訂したもの。記憶や見当識などに関する質問から構成され、痴呆の重症度の段階評価はしないが、30点満点のうち総得点20点以下では痴呆を疑うとされている。

8020(ハチマル・ニイマル)運動
 国民の歯の健康づくりを推進していくため、80歳で20本以上の歯を保つことを目標とする運動。平成元年にこの運動が提唱されて以来、その普及啓発と推進のためにさまざまな事業が実施されてきた。平成9年からは、市町村(特別区を含む)を実施主体とした歯科保健推進事業が実施され、地域特性を活かす、創意工夫を凝らすなど、他の自治体の模範となる8020運動事業を実施した市町村に対して補助が行われている。

発達検査
 心理検査の一つ。乳幼児の精神発達の程度を測定する検査法。乳幼児期の初期では感覚運動機能の評定をする検査項目が多く取り上げられ、発達段階が進むにつれて学習能力、抽象的思考なども評定できるようになる。

発達保障
 人間は、それぞれ発達の可能性をもっており、その可能性を最大限に引き出し、人格の発達を保障し、その人のニーズを充足させることが、教育や障害児(者)福祉の目的であるとする考え方。例えば、知的障害者は、その発達が緩慢なだけであって、その人なりの発達はあり、その人に個性的な発達、残された能力の成長の可能性を見いだし、その成長に期待をかけ、その個性や特質を全人的に見て、伸ばしていくということである。

パラリンピック[Paraympics]
 1948年にイギリスで脊髄損傷者のスポーツ競技大会として開催されたのがきっかけで、1960年のローマオリンピック大会からオリンピックの開催地で開かれるようになった。1964年の東京大会からパラプレジア(paraplegia;脊髄損傷等による下半身麻痺者)のオリンピックという意味で「パラリンピック」と呼ばれるようになった。現在は視覚障害者や切断者も参加する大会となり、もう一つ(パラ)のオリンピックという意味で使われている。

バリアフリー[barrier free]
 公共の建築物や道路、個人の住宅等において、高齢者や障害者の利用にも配慮した設計のことをいう。

バルーンカテーテル
 主に泌尿器科で用いるカテーテル(貯留物の排出や薬液注入に用いる管状の器具の総称)。管脛が2本あり、1本が先端の風船状の袋に通じている。膀胱内に挿入した後、空気等で風船をふくらませ脱落を防止し、もう1本の管で尿を排出させる。

バンク-ミケルセン[Bank Mikkelsen,N.E 1919-1990]
 ニルス・エリク・バンク-ミケルセンは1919年にデンマークに生まれ、デンマークがナチスによって占領されていたときレジスタンス活動をし、強制収容所に入れられた。その経験をとおして、知的障害者の人権と幸福のために貢献し、わが国においては「ノーマライゼーションの父」として知られる。障害がある者もない者も共に地域において生活することがノーマルであるとする理念「ノーマライゼーション」を世界に普及させ、知的障害者の大型施設を廃止し、地域生活を実現した功績により、ケネディ国際賞が授与された。