脳器質(性)疾患
 脳が構造的に障害されることによって起きる疾患。脳腫瘍、脳感染症、脳血管性障害等をいう。

農業者年金基金法(昭和45年法律78号)
  国民年金の給付と相まって農業者の老後の生活の安定と福祉の向上ならびに農業経営の近代化と農地保有の合理化を目的に、農業者を対象とする年金事業や、農地の売買や資金融資などの事業を行うために設けられた基金について定めた法律。農業を営む国民年金の被保険者を加入者とし、20年以上保険料を納入して、経営を移譲した60歳以上の者に経営移譲年金、65歳以上の者に農業者老齢年金などを給付するとともに、離農希望者からの農地等の買入れ、売渡し等を行う。業務は市町村・農協などに委託されている。   

農業者老齢年金
 農業者年金基金法に基づき、国民年金の第1号被保険者で農業を営むものを被保険者とし、国民年金の給付に加えて農業者の老後の生活の安定のために年金を給付する制度。50アール以上を耕作するものを当然加入とし、20年以上の保険料納付者に対して65歳から年金を支給することとしている。

脳血管疾患
 血管不全による脳障害で、多くは突発的に発症し、脳障害の部位、程度によりさまざまな神経症状を呈する。その基本的病変は、虚血性病変と出血性病変である。脳血管の閉塞で虚血が続けば脳梗塞の過程が進み、脳の軟化が起こる。また、出血により、脳実質内に血腫をつくるものを脳出血、くも膜下脛に出血するものをくも膜下出血という。必ずしも発作で発症するわけではないが、急激な脳の局所症状の出現する脳血管発作が基本的な症候群であり、よく知られている脳卒中はその最たるものである。近年、高血圧症の治療の進歩、塩分過剰摂取や動物性たんばく質不足の改善、生活環境の向上等により、脳卒中として発症することの多い脳出血が減少し、脳梗塞が際立っている。

脳血栓(症)
 脳の血管に血栓ができ、血管が詰まって脳の虚血をもたらす疾患。一過性の脳虚血発作、起床後まもなくの発症、症状の階段状の進行等の特徴がみられ、虚血によって障害された脳の部位により神経症状が異なる。多くの場合、高血圧・糖尿病・高脂質血症等の基礎疾患があり、アテローム(粥状)硬化症とその促進因子が背景にある。

脳梗塞
 脳血栓症や脳塞栓症等の脳血流障害により、脳に不可逆的変化が起こること。脳軟化ともいう。脳の循環不全により、脳組織への酸素供給量が低下し、脳代謝が障害され、脳神経機能が麻痔し、さらに細胞の壊死により梗塞に陥る。脳代謝をある程度維持するだけの血流があれば、神経機能の麻痔は回復の見込みもある。

脳死
 脳機能の回復不可能な喪失が、心臓死(心臓の停止による死亡)に先立って生じた状態をいう。脳死には、大脳と脳幹がともに不可逆的な機能喪失に陥った「全脳死」、脳幹だけが死んだ「脳幹死」が含まれ、大脳は死んで脳幹だけが生きている「植物状態」とは区別される。厚生省研究班による脳死判定基準(昭和60年)は、深昏睡、自発呼吸停止、瞳孔散大、脳幹反射消失、平坦脳波の各条件が満たされた後、6時間(小児および二次性脳障害者では6時間以上)たっても変化のない場合となっている。平成9年に臓器の移植に関する法律が成立、施行され、移植の場合に限り脳死基準による死の判定が行われるようになった。

脳性麻痺[cerbral palsy]
 胎生期、出産時あるいは出生直後に生じた非可逆的な脳障害による運動障害の総称。発生頻度は出生1000人当たり1〜2人であり、脳障事の時期は分娩時の脳外傷、異常分娩、未熟児、出産児仮死など出産時の障害や新生児重症黄痘によるものが多い。痙直型、アテトーシス、失調型、強剛型等の多彩な運動障害が認められる。

脳卒中
 脳の循環不全による急激な反応で、突然倒れ、意識障害を呈し、片麻痔を合併する症候群をいう。脳卒中として発症することの多い脳出血は、以前、脳血管疾患の主体を占めていたため、脳卒中=脳出血と解されていた。しかし近年、脳出血による死亡率は食生活の改善、生活環境の向上、高血圧症治療の向上等により減少してきている。

能力障害
 WHO国際障害分類では「能力障害とは、人間として正常とみなされる方法や範囲で活動していく能力の、(機能障害に起因する)何らかの制限や欠如である」と定義している。機能障害の結果、食事、排泄、衣服の着脱等の身辺動作や、歩行、コミュニケーション活動等がうまくできないことを意味する。

ノーマネット
 厚生労働省から委託を受けた財団法人日本障害者リハビリテーション協会が運営する、全国規模の利用者参加型通信ネットワーク。障害者が社会参加するのに必要な情報(行政情報・団体情報、医療情報、福祉施設・機器情報、ボランティア情幸臥文化・レクリエーション情報、雑誌・文献情事臥電子図書、文字放送、防災情報、国際情報・企業情報)を的確に確保・提供することを目的としている。(ホームページアドレス:http://www.normanet.ne.jp/)

ノーマライゼーション[normalization]
 障害者や高齢者など社会的に不利を負う人々を当然に包含するのが通常の社会であり、そのあるがままの姿で他の人々と同等の権利を享受できるようにするという考え方であり、方法である。障害をもつ人々に対する取組みが、保護主義や隔離主義など必ずしもその人間性を十分に尊重したものではない状態に陥りがちであったことを反省し、払拭しようとするもので、このノーマライゼーションの思想は、「障害者の権利宣言」の底流をなし、「完全参加と平等」をテーマとした「国際障害者年」にも反映された。身体障害者福祉法第2条(自立への努力及び機会の確保)には、この理念が掲げられている。