友愛訪問[friendly visiting]
 19世紀後半から20世紀前半のイギリス、アメリカにおける慈善組織化運動で、ボランティアの訪問員が貧困家庭等を訪れ指導を行ったことをいう。友愛訪問は対象を選別し、必ずしも専門的知識・技術に基づくものではなかったが、後にケースワークとして理論化されるうえでの礎石となった。

有償ボランティア
 ボランティアとは自らの意志に基づき無償で福祉活動等を行う者のことを指すが、この場合の有償とは福祉活動等に際して交通費、食費、報酬が保障されていることをいう。どこまでをボランティアとするかは必ずしも定まった見解はなされていない。

郵便料の減免
 郵便法では、点字郵便物等について郵便料を減免する措置がとられている。@盲人用点字のみを掲げたものを内容とするもの、A盲人用の録音物又は点字用紙を内容とする郵便物で、郵政事業庁長官の指定する点字図書館、点字出版施設等盲人の福祉を増進することを目的とする施設から差し出し、又はこれらの施設にあてて差し出されるもの、であって開封のものは第四種郵便物とし、郵便料は無料とされている。また、心身障害者(児童又は知的障害者である場合は、その保護者を含む)を主たる構成員とする団体が心身障害者の福祉を図ることを目的として発行する定期刊行物については、低料第三種郵便物として郵便料が低額となる。

有料道路通行料金の割引
 速やかに目的地まで移動すること等、社会生活に関してハンディキャップを負う障害者の自立と、社会経済活動への参加を支援するため、有料道路料金の割引措置が講じられている。@身体障害者が自ら自動車を運転する場合、A重度の身体障害者または重度の知的障害者が乗車し、その移動のために介護者が自動車を運転する場合に割引措置の適用がある。割引率は50%以下で、障害者有料道路通行料金割引証の提供を伴う現金徴収方式(ハイウェイカードの利用を含む)で行われる。対象となる自動車は、乗用自動車、貨物自動車または特種用途自動車で、本人またはこれと生計を一にする者が所有するものに限られている(営業用は除く)(平 6社援更241・児発881)。

有料老人ホーム
 常時10人以上の高齢者を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないものをいう。特別養護老人ホーム等の老人ホームの入所要件に該当しない高齢者や、自らの選択によりその多様なニーズを満たそうとする高齢者を対象とする民間の経営による入所施設。設置者は都道府県知事への届出義務があり、都道府県知事は設置者等に報告徴収、調査及び改善命令を行えることとされている(老福29条)。利用に当たっては、契約内容をよく確認することが大切である。

ユニセフ[United Nations Children's Fund;UNICEF]
 国際連合児童基金。第二次大戦後、戦争の犠牲となった子どもたちを救済するために設立された国際連合の機関であり、現在主に開発途上国を対象に保健・衛生、栄養改善、教育等に関する長期的一般援助及びアフリカ救済等の緊急援助を行っている。ユニセフの活動資金は、各国政府が自発的に拠出する「政府拠出」、民間からの「ユニセフ募金」及びグリーティング・カードの収益によって支えられている。

ユニットケア[unit care]
 痴呆性高齢者ケアの切り札としての、グループケアの一形態。平成7年前後から、各地で痴呆性高齢者のグループケアが行われるようになり、その効果が報告された。その結果を従来の大規模施設においても取り込むことを目的に、各ユニットに分割し、生活空間を整え、そこでケアスタッフが共に生活するようなケアの形態をとっている。特別養護老人ホーム等で、グループケアユニット型の施設を整備する場合に、国庫補助を拡大する措置等がとられた。現行の職員基準よりも職員を多く配置しているが、ボランタリーな人材に頼っていることが多い。

ユニバーサルデザイン[universal design]
 障害をもつ人・もたない人の別なく、すべての人にとって使いやすい形状や機能が配慮された造形、設計。製品や環境などの物的な面だけでなく、視覚情報を補う音声ガイド付きのホームページやテレビ番組の副音声、聴覚情報を補うテレビ番組の字幕テロップなど、情報面もその対象である。障害者・高齢者の利用にとって障壁となる部分の除去や改善を施すバリアフリーデザインの理念が発展し、障害者・健常者の「共用」が種々の生活用品の商品開発で指向されるようになり、最初からすべての人々の使用を意識して考案、設計されるようになった。