このページでは、小口径のパラボラアンテナと海外衛星テレビ受信用デジタルチューナーを使って、海外衛星テレビチャンネルを狙ってみましょう。
前のページでは、直径90cmのパラボラアンテナを使って、ASIASAT−3SやASIASAT−2のアナログチャンネルのいくつかがノイズ混じりで受信できることを説明しましたが、同じASIASAT−2衛星を使ってヨーロッパの外国向けテレビ放送5局とヨーロッパ・北アメリカの外国向けラジオ放送9局が、アジア向けに無料でデジタルテレビ・ラジオ放送をしていますので、これらを受信してみましょう。
受信に必要な条件としては、ASIASAT−2のアナログチャンネルの受信に使用した直径90cm以上のパラボラアンテナ・Cバンド用LNBとフィードホン・マルチ方式テレビか映像方式変換機に加えて、海外衛星受信用のデジタルチューナーが新たに必要となります。スカイパーフェクTV!用のデジタルCSチューナーは使用できません。
ASIASAT−2のヨーロッパ各局は、デジタルチューナーに次のように設定することで受信できます。
衛星周波数 | 偏波 | 設定周波数 | シンボルレート | 符号化率 |
---|---|---|---|---|
4000MHz | 水平 | 1150000KHz | 28125 | 3/4 |
設定ができたらアンテナをつないで方向調整をするわけですが、デジタルチャンネルは電波を受信してから映像や音声が出るまでに時間がかかるので、アナログチャンネル受信よりも方向合わせが難しいようです。
何とか電波を捕まえられてリモコンでチャンネルを変えていくと、以下のテレビ局が受信できます。
以上のように、ヨーロッパのテレビ・ラジオが驚くほど鮮明に視聴することができるのは、デジタル技術のおかげでしょう。画質・音質はほとんど国内CS衛星テレビを見ているのと変わりません。
ただ、90cmのパラボラアンテナでは映像・音声として再生できるぎりぎりのレベルのためか、ときどき映像・音声が途切れたり、画面がストップしたりモザイクが現れたりするのがちょっと困りものです。
映像・音声の途切れない完全な状態で受信したいのであれば、120cm以上のパラボラアンテナを使って受信しなければなりません。大きなアンテナを使えば、ヨーロッパ各局だけでなく中国の地方テレビ局のチャンネルもいくつか受信できるようになります。
1m以下の小口径のパラボラアンテナでは、安定した受信はできませんが、ヨーロッパのテレビの雰囲気が充分味わえますので、ぜひ一度お試し下さい。
関西以西の西日本にお住まいでしたら、1m以下のパラボラアンテナとKOREASAT−BS専用コンバータ付きフィードホン、KOREASAT−BS受信に対応したデジタルチューナーを使って、韓国の衛星テレビ放送が受信できます。
受信に必要なパラボラアンテナのサイズは、実家(広島県比婆郡東城町)では直径60cmでしたが、韓国に近い九州北部地方では直径50cmでも受信可能だそうです。韓国から離れるごとに、必要となるパラボラアンテナの大きさは増えていき、名古屋あたりが受信可能な限界ということです。
KOREASAT−BS専用コンバーター付きフィードホン単体は、コンテックさんのような外国衛星テレビ受信機器販売店で通信販売しています。
デジタルチューナーは、海外衛星TV受信用デジタルチューナー(私の場合はHYUNDAI HSS-100Cを使用)を使用できますが、韓国から輸入した専用のデジタルチューナーを使う人もいるそうです。
なお、韓国の映像方式は日本と同じNTSCですので、映像方式変換機は必要ありません。
KOREASAT−3から送られてくる韓国のBS衛星テレビ放送は、次のデータをデジタルチューナーにセットすることで受信できます。
衛星周波数 | 設定周波数 | シンボルレート | 符号化率 |
---|---|---|---|
11,747MHz | 997000KHz | 21300 | 7/8 |
受信できるのは、韓国放送公社KBSの衛星放送2チャンネルと、教育放送EBSの2チャンネルです。
KBSの衛星放送はちょうどNHK−BSとよく似た感じで、総合編成のチャンネルとワールドニュースとスポーツを中心としたチャンネルの2つです。
EBSの2チャンネルは、NHK教育テレビと同じような内容で、いろいろな教育番組を放送しています。
KOREASAT−BS衛星テレビ放送の受信に成功したら、CATV向けに送られているKOREASAT−2の通信チャンネル受信に挑戦してみましょう。
受信に必要なパラボラアンテナのサイズは、BS放送の時より一回り大きなものが必要で、当地では直径75cmで受信できています。
コンバーター付きフィードホンは、日本のCS用のもの(私の場合はかつて国内アナログCS受信に使用していた11.3GHzLNB付き電圧切替式フィードホン)を使うことができます。
KOREASAT−2の静止軌道はKOREASAT−3の西隣になるので、パラボラアンテナを若干西側に廻し仰角を少し下げる必要があります。
通信チャンネルにはいくつかの周波数があるのですが、電波が強い次の周波数のデータをデジタルチューナーにセットして方向合わせをしてみて下さい。
衛星周波数 | 設定周波数 | シンボルレート | 符号化率 | 偏波切替 |
---|---|---|---|---|
12,290MHz | 990000KHz(注) | 25844 | 5/6 | H(水平) |
KOREASATで使われている言葉は当然のことながら韓国語で、テロップもハングル文字のため全く判読できませんが、韓国のニュース・スポーツ・芸能・音楽などが見られ、通信チャンネルではCMも入りますので、結構面白いですね。
また、韓国のテレビに出てくる女性は、日本のテレビに出てくる女性に比べてだいぶん化粧が濃いのがわかります。