JBL075系ユニットの保守点検(中古で買った場合確認したい中身)

この内容に不適切な表現がありご迷惑をおかけしました。壺型ヨークを外すと確実に減磁しますので絶対にやらない様にご注意ください。中古市場には、分解減磁品が多数出回っていますのでそれらを入手された場合のみ下記の手順で分解して、業者にて再着磁して使用してください。下記赤以降は危険度が増します。またダイヤフラム交換の写真等も追加しましたので、中古で良いものを購入する場合参考にしてください。

音が正常な場合、分解は赤色の説明部分までで、ホーンとイコライザー部を再塗装して組み上げれば正面から見た目、新品になります。汚いものでも、リペアして気持ちよく使うための手段です。音が正常かの判断は、現行のフェライトの2405Hと比較するか、、音圧測定を行うなどしないと判断出来ません。ダイヤフラムの変形確認にもこの分解例を参照して注意深く作業してください。

077/2405(075や2402もほぼ同じ)自分の責任でやってください。ショップ修理やメーカー保守に出さない場合の参考にしてください!、20年以上前の製品なので減磁していたり、壺型ヨーク部分を分解すると確実に減磁しますので、再着磁をする覚悟が必要です。危険だと思ったら以下の説明の赤色以降絶対やらないでください。今まで、アルニコ075.077.076.2405を複数組持っていましたが、分解した跡がなく、外観のきれいなものでもだめなものもあるのが、このシリーズのツィターです。良心的なショップでは、古いアルニコよりフェライトの方が危険は少ないとフェライトを勧めます。余計なことですが、最悪だったのが通販でオーディオショップから買ったのが外観、音共に最低で値段も一番高かったです。おおむね30年も前のもので良いものは、あまり残っていないのが現状です。極上美品というものは未開封で保存されていたもの以外ないと思います。特にオークションでは、同じものが人から人へぐるぐる回っているということも頭に入れておいてください。

外見上は何の異常も無いように見えるユニット。分解した形跡がなくても、マグネットがかなり弱くなっている。
銘板も剥がした形跡が無い。後で述べるがこれが曲者なんです。ぜひ一度古い中古で買ったユニットは点検してください。仮に異常があっても自分で修理できるので安心です。
これはもう一個の表面上は綺麗な外観
しかしリングの周りが異常に磨いてある。溶剤で磨いたのでしょう。
銘板を剥がすには、カッターの刃を割り込むように四方から攻める決して銘板を引っ張って剥がさないこと。剥がすとこの下の中央部に前面のイコライザーの止めねじが現れる。
このマイナスねじを外すことによってイコライザー部が外れる。まだこの時点ではねじは決して外してはいけない。
075、2402、では砲弾型イコライザー。077、2405ではクサビ型イコライザーの違いだけで作業的には同じ。今回は077なのでアクリルのイコライザーが見えるまで表側のねじ4本を外しフランジ部分まで外す。この時点でダイヤフラムは見えないのでまだ、変形しているか解らない。ちなみに2405はアクリルに黒塗装もあれば、アルミのものもある。やはり海外製品です。

ここで銘板の下に隠れていたねじを外してイコライザーを取り外す。ここで開けてびっくり玉手箱となることが多い。この075系ユニットの特徴である。砲弾型やクサビ型のイコライザー部分を裏のねじを緩めないで回すために大事なダイヤフラムを歪めてしまうのである。そのまま外れないので使っていて音が小さくなったりひずんだりするようになっている。25年も前のユニットではありがちなトラブル。ただし何らかの事情でダイヤフラムにイコライザーが張り付いた場合は破損する事もある。
詳細は写真を追加最下段別枠に追加
丁寧にはんだを外せばダイヤフラムは簡単に外せる、正確なピッチで作ってあるので外しにくいときは、カッター刃等で、静かにこじる。ここまでが安全な分解範囲。これ以上分解すると減磁して、音が小さくなったりします。このままでも減磁している場合も多い
こんなに歪んでいるのも珍しくない。音が出ているので内部の不具合に気づかない。主なこのようになる原因は裏の銘板をはがしてネジをゆるめないで、イコライザー部分を回すことによって生じる。ホーン部分は簡単に4本のネジで外れるので、そこを外して、イコライザー部分をグイッと手で回し歪める障害。
全部品はこれだけの構成なので簡単に復元できます。この際全部品の洗浄を行いましょう。
軽い力で分解出来たし、音も小さかったので減磁していたのでしょう。
壺型ヨークの部分これは比較的綺麗
こちらは水でもたまっていたかの様だ
錆の影響がリングにも見受けられる。おまけに接着剤がはがれていた。
それぞれの部品を目視点検
2個のユニットの部品が混じらないように分けて並べる
洗剤と歯ブラシで良く洗う。塗装の劣化は、スチールたわしや紙やすりで落とす。
アルコールで脱脂して良く乾かす。
再塗装を行う。黒のつや消しラッカースプレーこのときラッカースプレーは冬場は湯煎しておく、また被塗装部品も暖めておくことが綺麗に塗る秘訣。写真には無いが壺部分には、はけで部分塗りした。
全部品を並べてみた。洗浄、再塗装後の写真
外れたリングも接着する。
壺型ヨークの部分にアルニコ磁石を入れる。またリング部分に防錆材を薄く塗っておくのも良いでしょう。
ターミナルを取り付けショートしていないかテスターで確認。このあとに着磁に業者に出します。ギャップにゴミ(鉄粉)が入らない様に養生します。
ダイヤフラムを付けないで仮組み。見違えるような綺麗な仕上がりとなる。次はダイヤフラム交換だ。ダイヤフラム交換を行う予定で、入荷したフラムの、サイズが合わず結局大失敗でした。そう簡単に直るものではないのでした。再着磁以前に断念。こんなこともある事例でした。

ダイヤフラム破損品ではあるが、まだ磁力はあるのでダイヤフラム交換すれば使える範囲減磁しているかの見極めは、ドライバーなどが、いきなり、吸い寄せられる程度なら使える。ここで、なんだ?この磁力はと思ったらフラムの交換はあきらめます。
フラムが虫に喰われた様な状態、信じられますか?
フラムを外した状態、くれぐれも中を見るため分解しないようにしてください。最も減磁していれば、すぐに外れますが、そうでない場合は外れません。以前、私はすぐに外れたので、こんなものかと思ってフラム交換しましたが、音が大きくならず、これが減磁と知ったのはあとになってでした。某有名ショップから購入したユニットだったので信頼していましたが、それが間違いでした。
新品のダイアフラムですが、結構汚れがあります。ここで注意しなくてはならないのが、必ずエアーダスターで発砲スチロール粉を落としておきます
黒いマーキングがある方が黒端子です。しるしがない場合巻き線の引出をよく見ると、巻きはじめのしるしコイルの巻きはじめ側です。(ダイヤフラム側が巻きはじめ)古いダイヤフラムは赤マーキングだったりします。また位置あわせの穴とは別に穴がありますが、それは極性判定の基準にはなりません。
マウントする場合穴が僅かに合わず、入らない場合がありますが、この場合ピンセットなどのテーパーの付いた棒で、穴をほじると入ります。ダイアフラムの交換は、技術者以外行ってはいけないと書いてありますので、これをやる場合、個人の責任で行ってください。ちなみにフラムは2個でネット上での実勢価格3万程度です。これを考えるとオークションやショップの通販で、音は出ています。ノークレームノーリターンの商品を安いからと、5〜6万で買って自分でフラム交換しても8万から9万にもなり、交換でのリスクやさらに着磁もしたら13〜14万にもなると言うことを覚えておいてください。やはり30年も前のもので良品は本当に少なくなっています。