うるさいことを言うようですが、安全衛生は、オーディオ自作という趣味では配慮の必要な部分がたくさんあります。これらは製造工場での衛生管理者、工事現場での安全管理を長年やってきた経験から述べています。
個人の趣味での作業でも安全衛生に配慮して作業しましょう。自分の責任で行う作業でも労働安全衛生法を参考にして作業することが大切です。趣味で怪我や病気になっては悲しいものです。安全衛生に無頓着でいると事故につながります。安全と衛生は関係ないと思う方も多いと思いますが、切り離しては考えられません。下記の項目だけは最低限守って作業しましょう
軍手を使うと、回転部にからまり大きな事故につながります。2重絶縁でアースの要らない電動工具以外はアースを取って感電事故に注意。
保護メガネを着用、耳栓も着用、アースの必要な工具はアースする。
目に切削紛が入ります。切り粉がメに刺さると眼科での治療が必要です。軽く考えてはいけません。大切な耳も騒音から守りましょう 感電事故にも注意。
鉛やフラックスのヒュームを吸い込み貧血、めまい、喉や目の痛みが起きます。また鉛が体内蓄積されます。やけどにも注意が 必要です。夏場半袖で結構大きなやけどをする場合があります。
市販のフラックスや洗浄剤にはイソプロピルアルコール(IPA)やフロン系の有機溶剤が多く含まれています。イソプロピルアルコールは体内でメチルアルコールに変わります。またフロンは気化すると空気より重いため酸欠状態になります。スプレーの塗料も金属用はほとんど有機溶剤が入っています。人体への影響は鼻からのガスの吸入と皮膚からの吸収によるものとがあります。
組み立て配線にあたっては充電部の露出の無いように各種チューブをかけた配線に心がけましょう。調整などで自作品は、内部を触ることが多いものです。またコンセントを抜いてもしばらくの間コンデンサーに、電圧が残っていることはお分かりとは思いますが間違っても、ドライバでショートさせないでください。大容量のコンデンサーの場合スパークして金属が溶けるほどです。意外に多いのがテスターリードによるショートです。対策としては、先端だけ出して、あとはチューブや絶縁テープで覆うことも大切です。
はんだ付けは従来から、極普通に行われて来ました。しかし最近の高密度住宅では、換気が十分でない場合が多いようです。出来れば窓際で、窓を開けて行いたいものです。正しい工場においては、雇いいれ時と年一回、特殊健康診断(鉛)を行い、局所排気装置をそれぞれ設けています。フィルターによる吸ってすぐフィルター通過後吐き出す簡易型もありますが、これは通常こまめに清掃とフィルター交換がされないのが実情で効果が薄くなるようです。
はんだのヒューム(光学的に右のクリーンチェッカーで測定)粒子の状態がよく解る
ヒロタックの特許商品